河出文庫<br> 完全な真空

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河出文庫
完全な真空

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  • サイズ 文庫判/ページ数 377p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784309464992
  • NDC分類 989.83
  • Cコード C0197

出版社内容情報

『新しい宇宙創造説』、『ロビンソン物語』、『誤謬としての文化』など、文学、SF、文化論、宇宙論……<存在しない書物>を知の巨人が真面目にユーモラスに読み解く究極の書評集。

内容説明

「実在しない書物の書評を書くということは、レム氏の発明ではありません」。ゲーム理論を援用して宇宙の創造と成長を論じるノーベル賞受賞者の講演「新しい宇宙創造説」のほか、「ロビンソン物語」「逆黙示録」「誤謬としての文化」など、パロディやパスティーシュも満載の、知的刺激に満ちた“書評集”。

目次

完全な真空(スタニスワフ・レム)
ロビンソン物語(マルセル・コスカ)
ギガメシュ(パトリック・ハナハン)
性爆発(サイモン・メリル)
親衛隊少将ルイ十六世(アルフレート・ツェラーマン)
とどのつまりは何も無し(ソランジュ・マリオ)
逆黙示録(ヨアヒム・フェルセンゲルト)
白痴(ジャン・カルロ・スパランツァーニ)
あなたにも本が作れます
イサカのオデュッセウス(クノ・ムラチェ)
てめえ(レイモン・スーラ)
ビーイング株式会社(アリスター・ウェインライト)
誤謬としての文化(ヴィルヘルム・クロッパー)
生の不可能性について/予知の不可能性について(ツェザル・コウスカ)
我は僕ならずや(アーサー・ドブ)
新しい宇宙創造説

著者等紹介

レム,スタニスワフ[レム,スタニスワフ] [Lem,Stanislaw]
1921年、当時のポーランド領ルヴフに生まれる。地球外知性との遭遇を描いた三大長篇『エデン』(59)、『ソラリス』(61)、『砂漠の惑星』(64)で作家としての評価を確立。2006年没

沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年東京生まれ。東京大学教授。ロシア東欧文学の第一人者。著書に『ユートピア文学論』(読売文学賞)など

工藤幸雄[クドウユキオ]
1925年大連生まれ。詩人・ロシア東欧文学者。訳書に『ブルーノ・シュルツ全集』(読売文学賞)など。2008年没

長谷見一雄[ハセミカズオ]
1948年東京生まれ。ロシア文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

76
レムはアリストテレスじゃないが、真空など認めたくはなかったのだろう。だからこそ、<存在しない書物>をでっちあげてでも文学の時空の穴を埋めようとしたのだろうか。あるいは、古今の文学時空にも穴はある。その穴の存在を示すため、空無を何処までも完璧に埋める営為を示してみたのだろうか。ドン・キホーテ的な、喜劇的な企図と言うしかない。ま、読者たる吾輩は、生真面目に翻弄されるしかないのだろう。  2021/05/28

そふぃあ

23
冒頭からもう ボ ル ヘ ス じ ゃ ん って思いがすごい。『伝奇集』の存在しない書物や場所がさも実在するような緻密さで描かれた短編たちを読んでるときのあの名状し難い尻の座りの悪さ、あの感覚の再来。 「ギガメシュ」がエグすぎた。多義性のある作品をオマージュした多義性のある作品のすべての参照事項、連想、文化・神話、語源に注釈したその多義性の一部に触れるだけでも発狂しそうになる恐ろしい批評。 不可能を可能にするのは架空の書評だからこそ為せるわざだ。2020/01/30

みなみ

21
存在しない架空の本の書評を集めた書評集。架空の本のはずなのに、細かすぎる設定や本文が大量に出てきて、圧倒される。本文だけでは味わえない批判的視点も楽しめるという意味では贅沢な本なんだろうけれど、途中では理解がしづらいところもあった。最初の書評が「完全な真空」でこの本全体のことを批評しているかのような体になっているのは、面白い。2023/12/27

masabi

18
【概要】架空の書籍の書評の体裁を取った短編集。【感想】小説に落とし込めないが捨てるには惜しいアイデアだけあって、実在する本だったらどれだけ良かっただろうか。小説に文化のすべてを詰め込んだ「ギガメシュ」、戦後のアルゼンチンでパリの宮廷を再現する「親衛隊少将ルイ16世」、物理法則は発展途上だと説く「新しい宇宙創造説」など。本書と同じく架空の本の序文の体裁を取った本もあるそうなので、そちらも読みたい。2020/06/02

ハイちん

14
書評集の体裁をとったフィクション作品。この世に存在しない書籍を書評している。書評という体裁を通してメタ的にフィクションを書く、という試みはボルヘスもやっていたらしい。この書評スタイルの試みによって感情移入とか詩的表現といった楽しみは作品から失われてしまった。その代わりに作品の本質的なところ、一番面白いところが強調されており非常に密度の高い作品集になっている。書評スタイルだからフィクションとして発表したらナンセンスとしか言われなかったであろう作品すらも、読みどころがわかり面白く読める。発想がすごい。2021/02/16

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