内容説明
居住者が次々と非業の死を遂げる家、乗客が連続して身投げする蒸気船、呪われた屋敷で見つかった驚愕の幽霊の正体…。ウェルズ「赤の間」、ティンパリー「ハリー」、ブラックウッド「空き家」、ストーカー「判事の家」など、怪談の本場イギリスから傑作だけを選りすぐった怪談アンソロジー!
著者等紹介
由良君美[ユラキミヨシ]
1929‐1990。慶應義塾大学大学院卒。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
23
古めかしい静かな怖さが楽しめるアンソロジー。でもそのなかに野蛮と呼んでもいい狂気や暴力が現れることもあって、そこがまた怪談らしい。個人的なお気に入りは、どちらも、最後の一言が効いている、ウェイクフィールド「目隠し遊び」、ベンソン「チャールズ。・リンクワースの告白」、、そして名作中の名作でアンソロジー常連だけど、やはり素晴らしい、ティンパリー「ハリー」です。2020/12/17
翠埜もぐら
15
「空き家」のジュリア叔母様がすばらしかった。怖いもの見たさのお手本のようです。はじめはコミカルですらありました。こののち叔母様はことあるごとに楽しく思い出すんだろうな。ブラム・ストーカーの「判事の家」はおどろおどろしく19世紀の作品なのに映像向きでドラキュラの影がそこかしこに。非常に短い作品ながらミドルトンの「逝けるエドワード」は、幽霊も超常現象も暗闇もないそれでいて死者に影響を受ける生者の話。こう言う話が最近好きになってきたのは年なのかしら。短編集は毛色の違う物が色々読めて楽しいですね。2021/04/07
星落秋風五丈原
14
1990年3月刊行版を読了。1990/07/07
Kotaro Nagai
11
本日読了。河出の怪談集シリーズ5冊目。怪談の本場イギリスということで、ブラックウッド、M.R.ジェイムズ、レ・ファニュといった作家の1868年~1959年の作品を収録。ブラックウッドとレ・ファニュは、それぞれ2編を収録。英国伝統のゴーストストーリーとしては、ブラックウッド「空き家」、H.G.ウェルズ「赤の間」、ブラム・ストーカー「判事の家」、ヘロン「ハマースミス「スペイン人館」事件」、クローフォード「上段寝台」が楽しめた。特にブラックウッドの「空き家」はなかなか怖かった。2020/04/30
宗次郎
11
判事の家や目隠し遊びはなかなか面白かったが、他の話は特に印象に残らず。家絡みが多いことがイギリスの特徴なのだろうがいまいちノリきれなかった。2019/04/26