河出文庫<br> わたしは英国王に給仕した

個数:
電子版価格
¥1,320
  • 電書あり

河出文庫
わたしは英国王に給仕した

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年03月29日 22時11分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 325p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309464909
  • NDC分類 989.53
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ナチス占領、そして共産主義時代のチェコを舞台に、給仕人から百万長者になった男の波瀾の人生を描き出す、滑稽で奇想天外な大傑作。

内容説明

百万長者を夢見てホテルの給仕見習いとなったチェコ人の若者。出世しながら高級ホテルを転々とし、戦時中はナチスの施設で給仕を務め、やがて念願叶って巨万の富を得るが―。時代のうねりの中で成り上がっていく男の人生にふりかかる、シュールでグロテスクな悲喜劇の数々!奇想天外な語りが炸裂する、物悲しくも可笑しい東欧文学の大傑作。

著者等紹介

フラバル,ボフミル[フラバル,ボフミル] [Hrabal,Bohumil]
1914年ブルノ(現チェコ共和国)生まれ。プラハ大学で法律を学び博士号を取得するも、法律の道には進まず、駅員、訪問販売員、劇場の裏方など様々な職を転々とする。63年に短編集『水底の小さな真珠』でデビューし一躍チェコの代表的な作家となる

阿部賢一[アベケンイチ]
1972年東京生まれ。東京外国語大学、カレル大学、パリ第4大学に学ぶ。東京大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

393
チェコの現代文学。一見したところでは難解さはない。ただ、その平易さに潜む作者のたくらみを読み解くのは一筋縄ではいかないように思われる。まずタイトルからして曲者である。「英国王に給仕した」ズデニェクを主人公(語り手)のヤンも(最初はともかく途中からは)我々読者も信じることができない。同様にエチオピア皇帝ハイレ・シエラシエ(なんと実名である)に給仕したヤンが、勲章を後生大事に持ち歩くのもわからない。わからないことは他にも多々ある。ヤンがいとも簡単にナチス(orドイツ人)に傾倒したこと、妻の死と息子との⇒ 2022/01/14

ヘラジカ

64
全集を集めていたとき買いそびれていた作品なので文庫化を機に購入。珍奇なエピソードの数々が、圧されるくらいの勢いでひたすら語られていく。南米文学によく見られる饒舌さ。長編小説というよりも章ごと表題作を持つ掌篇集のようだ。油断してると話が終わったのを認識せぬまま次の思い出が始まってしまうため、語り口の軽快さの割には物量を感じる。内容もポップだったりロマンティックだったりする一方、エロティックなものやブラックなものまで様々あるので、疲労はあっても全く飽きさせない。流石は池澤世界文学に選出されただけある。傑作。2019/03/11

三柴ゆよし

50
これはとんでもない。労働とお金儲けをスラップスティックな語り口で描く前半は基本的には笑って読めるが、中盤以降、ある歴史的事件を前にした語り手の選択と行動により、ギョッとするような不穏さグロテスクさが物語の後景となり、最後にはなんとなくほっこりとした孤独のうちに自閉していく。饒舌な語りはたしかにだれか不特定の聞き手を想定したものだが、最後まで読んだ読者は、彼の全体像が近づいてくるというよりもむしろ遠退いていくように感じるのではないか。終始にこやかなのに目はまったく笑っていない系の怖さをおぼえる小説だった。2019/06/09

zirou1984

33
文庫版で再読。初読時にも圧倒された、矢継ぎ早に繰り出される破茶滅茶なエピソードの数々はやはり格別に面白く、語りの力に圧倒されてしまう。しかし改めて読んで思ったのがドイツ占領時のチェコにおける、主人公の所謂「名誉白人」的に独側と同化しようとした立ち位置の危うさと不穏さ。それは牧歌的世界観に緊張と葛藤という裂け目を生じさせ、本書のタイトルにもアイロニーが含まれていたのだと気づかせる。終盤における達観した眼差しに戸惑いながらも、やはりとんでもない傑作だという読後感は揺るがない。フラバルの作品は本当に最高だ。2020/04/22

ネムル

26
再読、あらためて傑作と思う。激動の時代を前に己を陶冶する健全な教養小説はもう古く、ドイツ・ソ連と大国に挟まれた小さなチェコの、悪夢的で韜晦を思わせる教養は「お前は何も見ないし、何も耳にしない。でも、お前はありとあらゆるものを見なきゃならないし、ありとあらゆるものに耳を傾けなきゃいけない」だ。このルールを課した小人の語りは酔いどれの如く際限がなく視覚情報たっぷり(特に一章の水車に舞うパンツ回収ババアが最高)で、苦手なひとも多そうだが、なんの水(麦酒?)があうのか夢中で読んでしまった。2019/06/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13575674
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。