河出文庫<br> 眠りなき狙撃者

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河出文庫
眠りなき狙撃者

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  • サイズ 文庫判/ページ数 215p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309464022
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

引退を決意した殺し屋に襲いかかる組織の罠とかつての敵――「一行たりとも読み飛ばせない」文体のスピード。マンシェット最高傑作。

【著者紹介】
1942年、マルセイユ生れ。大学で英語と英文学を専攻するも、ジャズや左翼政治運動に熱中し、中退。71年デビューし鮮烈な作品を書き続け「新ミステリーの法王」と呼ばれるが、95年、癌のため52歳で死去。

内容説明

引退を決意し、新たな世界を希求する殺し屋に襲いかかるさまざまな組織の罠、そしてかつての仇敵たち―「現代フランス文学の極北」といえるほど、限界まで贅肉をそぎ落とされ張りつめた文体が描く、荒涼たる孤独と絶望のドラマ。ロマン・ノワールの旗手・マンシェットの遺作にして、最高傑作。ピエール・モレル監督により映画化。

著者等紹介

マンシェット,ジャン=パトリック[マンシェット,ジャンパトリック] [Manchette,Jean‐Patrick]
1942年、マルセイユ生まれ。大学で英語と英文学を専攻するも、ジャズや左翼政治運動に熱中し、中退。71年の『死体なんざ日干しにしておけ』(J=P・バスティッドとの共作)でのデビュー以来、次々発表した犯罪小説で新風を吹き込み、「新ミステリーの法王」と呼ばれる。73年、『愚者が出てくる、城寨が見える』でフランス推理小説大賞を受賞。95年逝去

中条省平[チュウジョウショウヘイ]
1954年、神奈川県生まれ。学習院大学文学部フランス語圏文化学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネコベス

28
殺し屋のテリエは引退を決意し、十年後に迎えに行くと約束した故郷の元恋人アンヌの下へ向かう。しかしアンヌはすでに結婚していた。さらにかつてテリエが殺した男の身内がテリエを付け狙う。殺伐とした乾いた世界観を無駄を削ぎ落した簡潔な文体で綴ったマンシェットの遺作。スピーディな展開にテリエのうぶで不器用な愛情に哀愁が漂う。酷薄な現実を突きつけるかのようにラストは救いのないやるせない結末。全体にあっさりし過ぎで、個人的には「愚者が出てくる、城塞が見える」の方が好み。2019/03/28

かえるくん

19
引退を決意した殺し屋がさまざまな組織や敵に追われながら、新たな世界を望んで反撃に転じる物語。心理描写と説明を排した、贅肉をそぎ落とした文体といえばハードボイルドの特徴だが、ここまで徹底し、しかも効果を上げている作品はそうはない。読んでいて殺伐とした気持になるが、ふしぎと気分は悪くなく、円環が閉じられることによって滲みだす荒涼たるセンチメントは、唯一無二のものだ。『郵便配達は二度ベルを鳴らす』といい、今年はノワールの名作が読めて幸せ。2014/11/29

hikarunoir

18
テンポの緩急が合わず、短くも読了へ時間を要した。文体は乾き、主人公も強いやら弱いやら。軽蔑する父と重なる結末は虚しい。猫の表紙は冗談キツい。2020/03/22

yukalalami

14
引退を決意した殺し屋を追い詰めるべく様々な出来事が襲い掛かる。主人公の孤独感、閉塞感が淡々とした文体で綴られ、かつての恋人との場面ですら荒涼感が漂う。過去、現在をうまく織り交ぜ驚きのラストまで一気に読ませてくれる。2015/07/19

Endo Takafumi

13
渋い。もしフランス語が出来たら是非原文で読みたかった作品でした。結末も大人っぽくて良かったです。2015/11/02

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