内容説明
『アンチ・オイディプス』と『千のプラトー』のはざまの一九七七年、もうひとりの盟友パルネとの共著として書かれ、とりわけ『千のプラトー』のエッセンスを凝縮した名著。ガタリとともに新たな思想を生成させつつあったドゥルーズの思考の息遣いを伝えながら、「実験としての生」を実践し、来たるべき哲学を開く。ドゥルーズを読むなら、この一冊から。
目次
第1章 ひとつの対談、それは何か、何に役立つのか
第2章 英米文学の優位について
第3章 分析せよ死せる精神分析を
第4章 諸々の政治
付録 第5章 現働的なものと潜在的なもの
解説1 対話と折衝(江川隆男)
解説2 回帰の反復―ベルクソンからベルクソンへ(増田靖彦)
著者等紹介
ドゥルーズ,ジル[ドゥルーズ,ジル][Deleuze,Gilles]
哲学者。1925‐1995
パルネ,クレール[パルネ,クレール][Parnet,Claire]
ジャーナリスト
江川隆男[エガワタカオ]
1958年生まれ
増田靖彦[マスダヤスヒコ]
1967年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koke
13
いまいち方向性がつかめない上に、『アンチ・オイディプス』と『千のプラトー』を無理やり要約したような内容でやや期待外れ。既成の権力は私たちの悲しみの情動を、欲望の抑制を必要としている。喜びの情動は、力能の増大はそれに対する抵抗になる。ただし増大と言っても量ではなく質の問題。ダニのように少数の情動があれば、その場にいながら逃走できる。「自分のベッドを拵えたので横になる。そうしても誰もあなたの布団を整えに来ないだろう」2023/06/19
フリウリ
9
読み飛ばしてかまわない。しかし、何度も現れてくる出来事には気をつけろ、とドゥルーズは言っています。大事なことだから何度でも言うよ、と言っています。例えば、スズメバチと蘭、馬とアブミ。9 2023/11/06
どらがあんこ
9
読めたり読めなかったりを、レベルの問題と考えて垂直の軸を与えるのではなく、そのイメージとの関わりにおいて考えると『ピアノフェイズ』っぽいなと思う。これは『差異について』でも感じたこと。だからp60でちょこっとライヒに言及されているのが嬉しかった。2019/09/01
ラウリスタ~
6
『意味の論理学』を読んで、ドゥルーズも分かるなと思ったのに、全然だった。この本は全く入門書ではない。あとがきでも、この本がいかに分からないか、だから読み飛ばすとこについて、書かれていた。読み飛ばしてよかったらしい。2014/02/24
uchiyama
4
「書いている著者において思考すること。その著者がもはやひとつの対象になり得ないほど、またその著者に同一化もし得ないほど、強くその著者において思考すること。」「ひとりの著者が与え、創案する術を知っていたあの喜び、あの力、あの愛と政治の生をほんの少しでも当の著者に返すこと。」そんな創造的な読み方ができれば、と思いますが、とても難しかったです。2022/08/04