河出文庫<br> ギフト―西のはての年代記〈1〉

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河出文庫
ギフト―西のはての年代記〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 305p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309463506
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ル=グウィンが描く、〈ゲド戦記〉以来のYAファンタジーシリーズ第一作! 〈ギフト〉と呼ばれる不思議な能力を受け継いだ少年オレックは、強すぎる力を持つ恐るべき者として父親に目を封印される――。

著者
アーシュラ・K・ル=グウィン (ル=グウィン,アーシュラ・K)
1929年カリフォルニア州バークレーに生まれる(父、アルフレッド・L・クローバーは世界的に著名な文化人類学者。母、シオドーラ・クローバーは作家で『イシ――北米最後の野生インディアン』の著者として知られる)。歴史学者チャールズ・ル=グウィンとの結婚後の1962年に作家としてデビュー、斬新なSF/ファンタジー作品を次々に発表して、ほどなく米国SF界の女王ともいうべき輝かしい存在になった。SF/ファンタジー以外の小説、児童書、詩、評論においても高い評価を受けている。ネビュラ賞、ヒューゴー賞など、SF分野の重要な賞を何度も受賞したほか、ボストングローブ=ホーンブック賞、全米図書賞、PEN/マラマッド賞など数々の栄誉に輝く。代表的作品に『闇の左手』、『所有せざる人々』、「ゲド戦記」シリーズ『なつかしく謎めいて』ほか。

谷垣 暁美 (タニガキ アケミ)
1955年大阪生まれ。ニューヨーク市立大学ハンターカレッジ大学院修士課程修了(英語教育法専攻)。1988年から雑誌記事や英米の小説、ノンフィクションの翻訳に従事。訳書に、『なつかしく謎めいて』、ルドルフ・E・タンジ、アン・B・パーソン『痴呆の謎を解く』(文一総合出版)、ヴィレム・エルスホット『9990個のチーズ』(ウェッジ/共訳)、ジェフリー・フォード『白い果実』(国書刊行会/共訳)、ジョゼフ・ルドゥー『シナプスが人格をつくる』、デイヴィッド・ヒーリー『抗うつ薬の功罪』(共にみすず書房)ほか。

内容説明

“西のはて”の高地は、代々、ギフトと呼ばれる特別な力を受け継ぐ領主たちが治めていた。カスプロ家の跡継ぎである少年オレックは、強すぎるギフトを持った恐るべき者として、父親に目を封印される―。遥か遠い“西のはて”を舞台に少年少女の運命と成長を描く、巨匠ル=グウィンの新たなファンタジー・シリーズ第一作。

著者等紹介

ル=グウィン,アーシュラ・K.[ルグウィン,アーシュラK.][Le Guin,Ursula K.]
1929年、カリフォルニア州生まれ。62年のデビュー以来、斬新なSF・ファンタジー作品を次々に発表。ネビュラ賞、ヒューゴー賞、ローカス賞ほか数々の受賞歴を誇り、米国SF界の女王と呼ばれる。著書に“ゲド戦記”シリーズなど多数

谷垣暁美[タニガキアケミ]
1955年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

桐ヶ谷忍

13
ゲド戦記を終えた著者が八十歳を超えて書いたのが本作。魔法使いの国高地。それぞれの領主はギフトの力が強い者がなる。ギフトとは父から息子へ、母から娘へと引き継がれる超能力のようなもの。主人公オレックは13歳になって突然ギフトを発したのを端緒に、コントロール出来ないほど強いギフトを持っていることが判明する。オレックの持つギフトは「もどし」。その形になる前の状態に戻してしまう危険なギフト。人に向ければ殺してしまう。オレックはギフトに必要な視力を封印してくれるよう父に願い出る。これは本気で面白いほんだった。最高!2020/10/16

roughfractus02

10
ゲド戦記で意識が他に及ぼす制御・支配の力とされた魔法は、本書では戦いと支配を好み、高地に住む者たちに付与される。またゲドでの「真の名」は本書では低地の人たちが本を読み物語ることで伝える「文字」と呼ばれる。高地出身の父と低地出身の母を持つ主人公は目で操る「もどし」の魔法の力を制御できず、父に目隠しをされて盲目状態で生きている。が、魔法の微かな力から昔母が読んだ物語の欠落に気づいた主人公は目隠しをとって本を読み始める。本書の主題は主人公の成長だが、その冒険は意識の表層(高地)から深層(低地)へ降りる旅である。2024/01/11

Ribes triste

9
ル=グインが紡ぎ出す物語は、美しく残酷で恐ろしい。登場人物の愛や憎しみや葛藤が剃刀のように切りつけてくる。恐る恐る読み進むうちに、物語に捕えられ、読み終わると朝でした。2015/12/06

megumiahuru

8
昔読んだ小林秀雄の本に、「自分で自由にできる才能なんて、大した才能じゃない。天賦の才をもつ人は自分でもどうにもならない才能のとりこになるのだ」というようなことが書いてあったのを思い出した。非才を嘆く私たちではあるが、才能があればあったで、大変なのである。力は責任を伴う。賜物は使命をもたらす。 この物語は、自分では抑えきれない「力」を「ギフト」として受け継いだ主人公が、宿命と戦い、もがき、等身大の自分を獲得してゆく成長譚である。『ゲド戦記』とは、また一味違った結末に、ル・グウィンの年輪を感じる。2013/05/29

FreakyRider

7
いやー、面白かった。ル=グウィンの文章にはざらりとした質感がある。まるで途上国でバックパッカーをしている時のような。先進国で人工的な生活をしている我々がなくしてしまった生活の手触り、質感、(リアリティーというべきかもしれない。)それを手に入れるために読むんだろう。彼らの生活は辛いのだろうが、ユートピア的な憧れを持ってしまう。あとやはり、ゲド3巻でも際立っていた、少年から青年へと成長する、揺れ動く心理の描写が素敵だった。2012/07/10

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