河出文庫
感情教育〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 438p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309463247
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

美しい人妻への一途な恋を胸に秘めた青年フレデリック。革命下のパリで生きる夢見がちな男と、彼を取り巻く四人の女の物語。

内容説明

法律を勉強するため上京した十八歳の青年フレデリックは、帰郷の途上、セーヌ河をゆく船の上で美しき人妻に心奪われる。やがてパリ暮らしを再開した彼は、一途に人妻を想いながら、夫の経営する新聞社や社交界に出入りをするようになる…。革命前後のパリで生きる夢見がちな青年と、彼をとりまく四人の女の物語。

著者等紹介

フローベール,ギュスターヴ[フローベール,ギュスターヴ][Flaubert,Gustave]
1821年ルーアン生まれ。19世紀を代表するフランスの小説家。「自分の文体の力によってのみ成り立つ」小説を目指した『ボヴァリー夫人』は、現代小説のさきがけとして高い評価を得ている。1880年没

山田〓[ヤマダジャク]
1920年東京生まれ。東京大学名誉教授。1993年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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優希

86
これは恋愛小説の類いに入るのでしょうか。語られるのは法律を学ぶ青年・フレデリックが抱く恋心と、彼をとりまく女性たちの物語。低体温の語りですが、セーヌ川で出会った美しい人妻への想いは一途で情熱を感じます。程よい温度で揺れ動く恋心を描いているように思いました。夢見がちな青年の恋は一体どこへ進むのでしょう。そして、フレデリックをとりまく4人の女性の想いにも目が離せません。下巻も読みます。2016/01/25

かんやん

30
『ボヴァリー夫人』が地方風俗なら、こちらは都会風俗。七月王政下のパリの街路から政治、流行、調度、ご馳走まで詳細に描かれている(馬車ってこんなに種類があるんだ)。田舎から野心を抱いて都会に出て来た青臭い青年は、勉強そっちのけで遊び呆け、芸術や文学を志したりするが、どうも三日坊主で、時には民主主義について熱くぶったりするも、人妻や人の愛人を追いかけ回し袖にされ、まあ一言でいうと凡俗の徒。だからというか、とても他人事とは思えず、ハラハラ・ヤキモキする(勉強しろよ!)。若い頃を思い出すと、もう恥ずかしいばかりだ。2019/09/19

ネムル

15
ジュリヤン・ソレルやラスティニャックがジレンマを抱えつつも、野心に目をギラつかせるこの時代、彼らよりも遥かにへなちょこなフレデリック・モロー君にまで野心を与えてしまうのだから、フローベール、罪作りなひとである。「そのとき突然、幻影があらわれたかのようだった」、ここで本当に幻影に頭を撃ち抜かれるかどうかが、本作を楽しめるかどうかの肝である。2015/08/22

しんすけ

10
生島遼一訳で読んだのは25歳くらいのころ。50年近く前になるが胸に動悸すら覚える感動が生じた。 だが30代で読んだときはどこに動悸の因があったか定かでないと感じながらも、ぼくにはなくてはならない作品と感じたものだ。それは、誰しもが体験する青春時代の逡巡である。 この体験の普遍性がこの物語の魅力であるに違いない。 それを最も明確にしたのは、太田浩一による翻訳だった云える。65歳で読んで『感情教育』がもつ主要因を漸く掘り出したとの印象すら受けた。だが山田ジャクの翻訳では何か普遍性が欠如しているようで仕方ない。2019/05/11

Hepatica nobilis

7
粋な山田爵訳で再読。訳は違ってもやはり惹かれる。2013/09/02

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