内容説明
「孤独と喪失に彩られた、見えない街」ニューヨークで生き、愛し、悩み、悲しんでいる人々。恋人との再会、友人との別れ、酒場のひととき…ごく普通の男女が織りなす日常の一瞬を絶妙な語り口で浮きぼりにした、三十幾通りの人生ドラマ。感動が胸にしみわたる、不朽の名短篇集。映画『幸福の黄色いハンカチ』原作を併録。
著者等紹介
ハミル,ピート[ハミル,ピート][Hamill,Pete]
1935年、ブリックリン生まれ。ジャーナリスト、コラムニスト、作家。58年、ニューヨーク・ポスト紙記者となり、さまざまな報道に携わる。90年代には同紙とニューヨーク・デイリーニューズ紙の編集長に
高見浩[タカミヒロシ]
1941年、東京生まれ。出版社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみにてぃー。
16
私のように海外小説が苦手な人にも読みやすいと思います。 1編が2〜3ページほど。 ニューヨークの街で暮らす(若しくは暮らしていた)人々の温かい思い出や切ない恋人や友人との再会などが描かれています。 街角のBARや同じ人物がたまに出てきて少し繋がりがある時があったり。 海外小説特有のよくわからない言い回しや表現の短編も後半はたまにありましたが、そこは見なかったことにして(笑)飛ばし。 全体的には面白くて、コロナで海外旅行にいけない今、海外生活を垣間見れたような気がします。2021/06/20
rokubrain
15
切り取った日常から人生が見えてくる、34+1の短編。 新聞記者(ニューヨーク・ポスト)、ピート・ハミルが取材のなかで出会ったニューヨークで暮らす人々を”スケッチ”している。 距離感を保ちながら彼ら彼女らを見つめる目線がやさしい。 「歴史」に登場しない、ささやかな人生たち。 過去の過ちも失敗も全部ひっくるめて抱擁するような人間賛歌。 事実の「再構築」にオチなんか不要だ。 場所や時が変わっても人間そんなに違わないんだなあと気づかされた。 いつの時代も市井の人間たちは、愛おしい。2022/01/15
A.T
13
メインのニューヨークスケッチブックは好みに合わなかったなぁ〜。一方の6ページにも満たない「黄色いハンカチ」は十分に1冊の余韻に浸れる名作だと思う。とは言っても、ここから映画化を決めた山田洋次監督も凄いと思うけど。2017/10/06
ヴィンサニティー
4
日常の何気ない出来事を掬い取って構成されているショートショート。 物語構成感はあまりなく、どちらかというと古い日記の断片を読んでいるかのような感覚でした。 映画も観ましたが最後に併録されている「黄色いハンカチ」。これはとても好きなお話の一つです。 これを最後に持ってきて締めるなんて素敵ですね。2022/07/01
Hitoshi
4
34篇の短編集ですが、一つ一つにタイトルはありません。ニューヨークを舞台に起きた一つ一つのお話。どれも、心にジーンと来るお話。今年の夏、著者、ピート・ハミルは亡くなりました。1982年の作品ですが、どれも全く色あせていませんでした。何度でも読み返したい1冊です。以前読んだ時は私はまだ大学生でした。その時よりも自分が歳をとった事によって、感じ方が変わった気がします。2020/10/17