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河出文庫
幻の下宿人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309462950
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

主人公のトレルコフスキーは、なけなしの金をはたいて引越しをする。だが、そのアパートは地獄への入口だった!男は次第に理性を失っていき、異常な行動を始める。もし、この世の中に悪意が存在していて、手の込んだ陰謀が実際に企てられているとしたら…。アイデンティティ喪失の恐怖を描いたフレンチ・サイコホラー。

著者等紹介

トポール,ローラン[トポール,ローラン][Topor,Roland]
1938‐1997年。フランスの作家、画家、映像作家。ブラックユーモアにあふれた作風で知られる。俳優活動として、ヘルツォーク監督『ノスフェラトゥ』にも出演している

榊原晃三[サカキバラコウゾウ]
1930‐1996年。愛知県生まれ。フランス文学翻訳家。純文学からエンターテインメントまで幅広い翻訳書を残した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

A.T

16
部屋の小窓をながめると、そこにはさっき窓から外を覗いていた自分がいたー。気がつくと、主人公の幻覚の世界を見せられている。そんなお話です。ロマンポランスキーが映画化。これも見てみたいです。2016/05/04

三柴ゆよし

9
永田弘太郎が選ぶ「最強の文学50」に名を連ねていたので読んでみた。これは奇作。予兆に満ちた序盤の展開が一転、パニック系サイコスリラーに様変わりする中盤以降には正直おどろいた。カフカを読んでいたつもりがキングだった、で、最後まで読んだらむしろ綾辻行人のホラー小説だった、みたいな衝撃。都市生活者の孤独が狂気を育んでいく物語とも読めるし、不条理な悪意に挑み、結局は敗北していく男の寓話とも読める。ちなみに作者のトポールはシュルレアリスム脱落組作家のひとり。行過ぎたブラック・ユーモアに定評がある。 2011/08/16

£‥±±

7
 昔早川書房から出版されていた「ブラックユーモア選集・ローラン・トポール」から表題作の「幻の下宿人」のみをピックアップした内容。  読んだ後、作者の孤独感や追跡妄想が伝染してしばらく気分が悪くなった物だ。実際ブラック・ユーモアを通り越してシック・ユーモアと言って良い。  特に壁の薄い安普請のアパート・マンションに住んだ事が有る方には身につまされる事請け合い。 中盤まではひょっとしたら全て主人公の妄想だとも思えた一連の出来事が終盤では現実世界を覆い尽くし無限回廊に落ち込む様子が実にスリリング。2017/12/04

あたびー

3
ロマン・ポランスキーが自ら主演する映画「テナント」を観たあとに。クソ真面目なくせに性的な妄想に縛られているように見える主人公(いわゆるむっつりスケベ?)が、引越し先のアパートの常軌を逸した住民たちの行動で、更に狂気を深めていく物語。映画は概ね原作に忠実で、映像化されているだけにその狂気の深さがより鮮明に。「こんなアパートは嫌だ」という大喜利の題目になりそう。2018/06/26

miubw

2
引っ越した下宿先で友人たちと騒いだことで怒鳴り込まれたことを皮切りにおかしな隣人たちに悩まされることになった主人公。周囲の悪意はとどまることなく、ついに主人公は…。 周りもおかしいけど、主人公もわりとおかしい。変な妄想や夢を読まされ続けて苦しい。250ページくらいなのに、読むのに時間がかかった。そもそも夜中の1時までダンスパーティしちゃだめだと思う。2020/03/21

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