内容説明
「ホームズはなぜ、切り裂きジャックについてまったく言及していないのか?」―ホームズ物語の中でも最大級の疑問に、ひとつの解釈を与えたホームズ・パロディ界の名著、待望の邦訳。英推理作家協会賞を受賞したイギリスを代表する現役人気作家が、ホームズ研究者や批評家の間に強烈な反応を引き起こした問題作。
著者等紹介
ディブディン,マイケル[ディブディン,マイケル][Dibdin,Michael]
1947年生まれ。現代イギリスを代表するミステリ作家のひとり。デビュー作である『シャーロック・ホームズ対切り裂きジャック』のほか、イタリア内務省刑事警察の警視アウレーリオ・ゼンを主人公にしたシリーズ、犯罪小説、本格ミステリ、サイコ・サスペンスなど幅広い分野の作品がある。1989年に、CWA(英推理作家協会)賞を受賞した
日暮雅通[ヒグラシマサミチ]
1954年生まれ。青山学院大学卒。翻訳家。日本推理作家協会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ等会員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
21
全体的に暗い感じで物語が進んでいきちょっと読みにくかった。切り裂きジャックと『最後の事件』を組み合わせて物語を構成しているのは面白いとは思ったけど。もう少し本編と同じような雰囲気の作品が読みたいな。2012/12/12
本木英朗
19
М・ディブディンは英国の現代ミステリ作家のひとりであり、そんな作家がホームズ物を書くというのは、なかなか面白かったよ、うん。かつて2004年に一度読んだけれど、今回は中盤まで忘れてしまっていた。話はまあ別にいいよ、うん。とにかくホームズとワトスンの名前が出てくるのだからね。さらにレストレード警部やモリアーティ教授も出てくるし、本当に満足であった。まあ、パスティーッシュよりはパロディ、しかも暗黒よりかなあ、と思ったけれどね。うーん、なるほど。さすが日暮雅通であります、はい。2019/12/09
海老エミ
13
面白かった。切り裂きジャックはモリアーティだ!と追うホームズ。コカインが混乱の元。ワトソンも混乱していく。出来が良いのか、他のパスティーシュと読み比べできるほど本編も読んでいないのでわからない。いろんな作家の読んでいきたい。スッキリしないオチの方が心に残る。2019/09/22
うみ
9
なぜドイルがホームズシリーズの中で切り裂きジャックについて触れなかったのか?というシャーロキアンの間での謎に1つの解決を与えるパスティーシュ。これは面白そうだ!と軽い気持ちで読み始めましたが、けっこう衝撃的でした!原典ネタを下敷きに時系列もしっかりしていて、説得力もあるので余計に衝撃的です 笑 2019/11/28
鐵太郎
7
ホームズ・パロディとして高いレベルにあるとは思います。要所要所にちりばめられたうまい言葉も、ホームズのいかにもといった振る舞いも。でもねぇ。ネタバレというか、先が見えすぎた感があります、読んでいて。まあ、こういうのもあり、と考えればよろしいのでしょうな。ホームズ研究家を自認する方なら、一読の価値あり、かな。2005/02/27