内容説明
パリ第18区署の刑事ロニョンが深夜、ジュノー並木通りの路上で何者かに撃たれた。なぜロニョンがそんな時刻にそこにいたのか、同僚の刑事は誰も知らない。そして、彼が現場に面した建物に住む若い女のもとに夜な夜な通っていたということがわかる。ロニョンは女の部屋にあがりこんで何をしていたのか。姿を消した女、そしてロニョンが残した謎の言葉「幽霊」…。
著者等紹介
シムノン,ジョルジュ[シムノン,ジョルジュ][Simenon,Georges]
フランス最大の推理小説作家。1903年ベルギー生まれ、1989年没。1922年以降フランスで作家活動をつづける。多作家として知られ、四百冊以上の小説を書き、約四千万冊が売れたといわれる。メグレはシムノンが創造した探偵で、パリ警視庁所属の司法警察局警視(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マーブル
15
深夜におよぶ尋問を終え疲れ切って帰宅するメグレ。音を立てぬようそっと回す玄関の鍵。それでも気配を感じてベッドの中から声をかけるメグレ夫人。彼女はこの時間まで耳をそばだてて夫の帰宅を待っていたのだろうか。何百回と繰り返されてきた夜。冒頭が素晴しい。ここだけ読めただけでも満足できる。メグレシリーズの魅力にとって、事件の詳細は付け足しなのだ、と極端なことを考えてしまう。メグレという人物。その操作方法。その日常。その中に存在する夫人。メグレを心酔しつき従う部下たちの活躍。それらの立ち回る姿が見られればそれでいい。2022/07/06
Ribes triste
10
メグレ警視シリーズ。ロニョン刑事の銃撃事件を発端に、捜査が進むうちに、ロニョンが単独捜査をしていたことが明らかになる。メグレの鋭い人物観察が面白い。そして、いつもながらのメグレ夫人の内情の功も素敵なのです。巻末のメグレと奥さんのルイーズとの出逢いの話はほほえましい。2018/09/05
まほろば
1
最後のメグレと奥様の出会いのシーンが印象的。オランダ人のなんともいえないうさん臭さ。メグレの人物を見る目の確かさ。奥さん選びにも役立ったようで。2019/07/18
康芳英
1
メグレが気にかけていた刑事が凶弾に倒れる、という緊迫した事件なのだけれども、結局いつも通りのメグレでしたとさ。やっぱりメグレの魅力は捜査線上に浮かび上がってくる様々な人との対峙とメグレの目を通した人物描写にあるのだなあと実感。2012/05/23
shibatay
0
再読2011/03/30