内容説明
チェコの国民的作家で世界中でロングセラーを生み出したチャペックが贈るユーモアと愛情あふれるエッセイ。いたずらっ子のダーシェンカ、お母さん犬のイリス、気まぐれ猫のプドレンカなど、お茶目な犬と猫が大活躍。名作「ダーシェンカ」の原典が自筆のイラスト、特別アルバムつきでよみがえる!犬好きにも猫好きにも嬉しい一冊。
目次
ミンダ、あるいは犬の飼育について
イリス
ベンとビヨウとブラッキーとビビ
ダーシェンカ、あるいは子犬の生活
子犬の写真をうまく撮るには
ダーシェンカをおとなしく座らせておくためのお話
犬の品評会
犬についてもう少し、それから猫について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KI
29
存じ上げてはおりましたが、どうやらいぬさんとねこさんはかわいい。2019/07/02
はじめさん
27
チェコの文豪チャペック氏の愛猫プドレンカ、愛犬ミンダ、イリス、ダーシェンカ。文画両道、氏の愛嬌あるイラストを交えての犬猫についての散文集。/ 愛したテリア種以外の犬に対しての評でシェパードとドーベルマンにちょっとあたりキツくね? と思ったら、ああドイツね…とちょっと納得。/ 母性が暴走したミンダが猫の赤ちゃんを強奪するエピソード微笑ましいが、晴れて八匹の母となったミンダに対してチャペック氏が美しい二匹だけを選んで、あとは間引きしてしまうのがショッキング。ナチスと同じくらいの優生思想…。(H30/223)2018/12/06
chanvesa
27
犬の赤ちゃんを間引いたり、やたら血統にこだわるのは、私にとっては何だか腑に落ちないけれども、「ダーシェンカ」の語り口はほのぼのとさせられる。猫のお話はやはり少ししかない。チャペックにとっては、猫のことはエッセイにしにくいのかな。しかしチャペック兄弟の描くイラストはむちゃむちゃかわいい。写真も素敵。2015/06/06
田氏
22
『園芸家12ヶ月』でチャペックのエッセイの面白さは知っていた。もちろん本作も真面目くさった風の諧謔まみれ。そのなかにしばしば紛れる、本当に真面目くさっている瞬間がスパイスとなって効いている。『園芸家~』が植物性のエッセイだったのに対し、動物性である本作は、スパイスの効き方がどこか肉肉しい。ほのかに香る、当時のチェコを取り巻くキナ臭さのスモーキーフレーバー。それが動物との信頼という観点と合わさると、感じていた獣臭さのようなものがほかでもない人間味だったとわかる。人間味、って字面すごいよね。カニバリズムだね。2022/01/30
ジョニジョニ
19
犬も猫も、人になつくからかわいい。でもいつまでも、こちらの思い通りにはならない。よく考えたら、自分のいいなりになる他者なんているわけないから、当たり前のことではあります。ヒトラーが自分の思惑通りにことを進めていた時代に生きた作家だけに、奥深い思慮がありそうです。それはともかく、お兄さんが描く挿絵が実に味があって、楽しいです。2021/08/23