内容説明
『O嬢の物語』の作者、ポーリーヌ・レアージュが序文を寄せた幻のエロティスム小説。デュラス、ベケット、ロブ=グリエなど、ヌーヴォー・ロマンの錚々たる作家を世に出したパリの名高い『深夜叢書』の刊行。人間存在と愛の意識が構成するイマージュを、主人と奴隷の弁証法を駆使しながら描く、あまりに甘美な寓話的幻想世界。二十世紀版サドとも言える傑作。
感想・レビュー
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okadaisuk8
1
知的…というのともちょっと違うが、遊び感覚たっぷりのSMエロスが味わえる。M娘が茂みで小用をさせられ、その水滴が花に降りかかるシーンなんて、題名に恥じない見事な描写(こうまじめに書くと恥ずかしい)。オチはまあそうなるんだろうけれど、とは思いつつちと予定調和的で物足りない。 2019/01/24
龍國竣/リュウゴク
0
服装や姿態について事細かに描写されているのは著者が女性だからだろう。それでいて、薔薇から最後に至るまで、責苦、主従の過程が抽象的である。それについては、ポーリーヌ・レアージュの序文が謎解きをしている。映像が頭の中を駆け巡り一体となるまでの話。 2012/10/04