内容説明
デュラスが、自らの創造力のなかからつくりあげた「白骨の西洋」―海と空にひらけた、砂と風の町、S・タラ。「海」であり「死」であるこの町を舞台に、「旅人」や妊娠した狂女といった名前のない登場人物が繰り広げる物語は、デュラス文学の極北であると同時に、『ロル・V・シュタインの喪心』『副領事』と同じ背景をもち、その世界の核となるものである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gerogeC
2
『インディア・ソング』の亡骸である『ヴェネツィア時代の彼女の名前』が強烈なイメージを喚び起こすのと同じように、『ロル・V』の廃墟としてこれを読むときに壁に埋もれていた声が確実に立ち上がってくる。わたしのS・タラ、私の広島、繰り返し呼び掛けられる名前。あなたは広島で何も見なかった、彼女は何も見ていない。「光線が完全に現れたら、どういうことが起こるのかな?」。2019/10/12
Auristela
1
S・タラで釣れた鱈はさぞかし美味しいんだろうなー(^。^)2015/11/02
marikaaashi
0
△2012/08/04
toki12
0
最後の解説を読んでやっと謎が解けました。2009/03/30