内容説明
中国は不思議な国だ。現実がフィクションを食ってしまうほどこわい。文字通り食人の記録からはじまって、自然の恐怖、言語の怪談、政治、習俗ととりあげてゆけばきりがない。このような「現実」の記録から、SFを含む未紹介の現代文学までを新しい視点からとりあげ、従来の「中国怪談集」とはガラリと趣向を変えた画期的アンソロジー。
目次
人肉を食う(陶宗儀)
揚州十日記(王秀楚)
台湾〈フオルモサ〉の言語について(ジョージ・サルマナザール)
ボール小僧の涙(『点石斎画報』より)
ワニも僕の兄弟だ(『点石斎画報』より)
宇宙山海経(江希張)
薬(魯迅)
阿Q正伝(魯迅)
“鉄魚”の鰓(許地山)
死人たちの物語(黄海)
五人の娘と一本の縄(葉蔚林)
北京で発生した反革命暴乱の真相(中国共産党北京市委員会宣伝部)〔ほか〕