内容説明
20世紀になって爆発的に増加した動機なき殺人―暗殺。純粋に殺人を欲し行動する暗殺者たちを「アウトサイダー」的な犯罪者とし、博覧強記の暗殺団から、切り裂きジャック、マンソン一家の女優シャロン・テイト殺し等いくつもの事件、さらに多くの小説、哲学書を引き、現代に典型的な「頭脳的」殺人者の心理に迫る!
目次
序論(「暗殺」の心理;「公憤犯罪」の増加;「アウトサイダー」的な犯罪者;意志の挫折による殺人)
第1章 悪夢の化身
第2章 意志の哲学
第3章 ポルノと報酬漸減の法則
第4章 「魔術的」思考
第5章 「正義漢」
第6章 殺人とロマンティシズム
第7章 ドストエフスキー的綜合
第8章 受動的誤謬
第9章 前進の道
附録 「切り裂きジャック」新犯人説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gen Kato
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再読。ヴァン・ヴォ―クトによる「正義感」(ライト・マン)やアウトサイダー的な犯罪者って、今の日本だとクレーマーやモンスターペアレントになってるんだろうなあ。「自分が取るに足らぬ人物であるという感じを素直に受け容れるには知的すぎるが、さりとて、人に認められる自尊レヴェルで自己主張をするには知力もしくはタフネスが足りぬ」って、まさにそのもの。2016/05/26
Quadrophenia
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「ニーチェがショーペンハウアーから引き出したのは、人間の最も強力な欲望は、安定や愛や美への欲望ではなく、意志そのもの、正しく空きっ腹のような激しい恒久的な渇望であるという考え方であった。」2014/08/31
発起人
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哲学は難しすぎるでも猟奇殺人実話は下品すぎるという方に2005/11/10