内容説明
一九六二年、第1回文芸賞を受賞した若き著者のデビュー作。法学博士・大学教授の正木典膳は、家政婦から婚約不履行により告訴される…スキャンダル、周囲からの孤立、そして破滅。戦中・戦後の日本社会の変動と知識人の内的葛藤を重層的かつスリリングに描いた長篇傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
勝浩1958
13
この主人公のようなインテリが日本の官僚の中にもいるような気がしました。ゆるぎない自信は諸刃の剣だと思います。被害者といえる二人の女性をもっと描いてほしかった。2017/12/10
六兵衛
2
約25年ぶりに再読。面白く読めたが、名作・傑作とはとても言えない。小説を構成する要素が、老いらくの恋愛(性愛)、兄弟間の相克、アカデミズム内の人間関係(師弟、ライバル)、知識人と国家、と多すぎてどれも消化不足気味。主人公もとても55歳の成熟した大人とは言えず興ざめ。執筆時20代だった作者がそのまま投影されているのだろうか。その点では、主人公の若かりし頃の苦悩は、作者が想像しやすいところであったろう故に説得力を持つものであった。松本侑子氏の巻末エッセイは良質。2014/05/25
旅籠屋
1
私の中学の恩師の自宅には高橋 和巳全集がありました。2013/01/09
shiaruvy
0
コメント予定 [1996.05.02 初版]
イスカ
0
2010年に読んだはず。思い出したらあとで追加。