出版社内容情報
独裁者たちは、どのように大衆を踊らせ抑圧して行ったのか? その手法を「デザイン」の観点から見直す現代必読の書、待望の文庫化。
内容説明
「『権力を握る』ことは、蜜の味である。それをめざす人間はあとを絶たない」いま私たちに必要なのは、「独裁者」により巧妙に張り巡らされた罠を見極め、物事の「本質」を見抜く眼を養うことだ!「独裁者」たちはプロパガンダを駆使して、どのようにして大衆を踊らせ、抑圧していったのか?その手法を「デザイン」の観点から分析した、現代を生き抜くための必読書、待望の文庫化!
目次
1 呪力のある視線
2 燃える視線
3 拒否する視線
4 遠望する視線
5 反復する視線
6 記憶する視線
著者等紹介
松田行正[マツダユキマサ]
1948年静岡県生まれ。中央大学法学部卒業。グラフィック・デザイナー。デザインの歴史探偵。「オブジェとしての本」を掲げるミニ出版社、牛若丸主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ex libris 毒餃子
11
スターリンのデザインのみ民衆からの支持を仰ぐデザインではないのが際立つ。革命の正統性の支持を仰ぐデザインである。他の3人は権力の正統性を自らに依る性質になるようにデザイン設計をしている。2022/07/24
ののまる
7
側面がヒトラーとスターリンで、読んでいる間、二人の眼力がー2023/05/03
hirorin
4
何とも言えないですね。私は美術品というかポスターが気になって読んだのですが、いかに大衆がプロパガンダやマスメディアに弱いか、同調圧力の恐ろしさを感じました。国内もきな臭く、世界は怪しい方向に行くし、コロナやサル痘など。こんな時にこういう独裁者が出てきたら一気になびいてしまうんでしょうね。ことの本質を見抜く目を持つこと、それが教養だと書いてありました。確かに~差別や人を見下すなどは、無自覚・無教養・民度が低いからと聞いたことがあります。真の教養は知識を深めて自分で正しいことを判断することですね。2022/07/26
SAT(M)
3
独裁者たちがどのようなプロパガンダで民衆の心をつかんだかというテーマをビジュアルデザインの観点から読み解いた本。連想ゲーム的な話の進め方で前後のつながりが不分明だったのが残念。テーマ自体が魅力的で図版も豊富で綺麗な本なので、あとはロジカルに論を進めてもらえれば完璧だったのに‥。とはいえ、全体としては興味深く読める本ではありました。独裁者と一口でいえど取り入れたデザインは異なっており、その時代その国の民衆がなぜそのデザインに惹きつけられたかをもう一歩踏み込んで考えてみたくなりました。そして何より装丁が最高!2023/11/16
UI
3
本の小口にスターリンと毛沢東がデザインされていて(文庫本版も同様かどうかは不明)面白い。内容もプロパガンダの本としても、デザインの効果を示す本としてもおもしろかった。2023/07/21