出版社内容情報
好き、それだけがすべてです――「きみは透明性」「宇宙以前」etc.。最果タヒがすべての少女に贈る、本当に本当の「生」の物語!
内容説明
「きみは、昨今の殺人事件数減少についてどう思う?」転校生の突然の問い掛けにより、物語は動き出す。舞台は私立冷凍女学院。いま、少女二人による「都市伝説」の検証実験がスタートした。(「わたしたちは永遠の裸」)。「好き、それだけがすべてです」少女たちの「生」の揺らぎが溢れ出す!最果タヒが言葉にならない「瞬間の関係」を鮮烈に描いた、傑作短編集。
著者等紹介
最果タヒ[サイハテタヒ]
1986年生まれ。詩人。2006年、現代詩手帖賞を受賞。07年、第一詩集『グッドモーニング』で中原中也賞、15年、詩集『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンタマリア
44
屈折したボーイミーツガール、ガールミーツガール。少年少女たちに共感は持てなかったけど好き。2022/04/12
ちぇけら
17
愛はわたしを救ってくれない、君が死にたいと言ったらわたしはそれを肯定するだろう、君が死んでもなんとも思わない、その心に愛を当てはめて泣けとでも?わたしとは関係のない場所で・時間で、愛は咲いて枯れるだろう、まるでプラネタリウムの星がわたしのすぐ上で瞬くように。幸せだった時間は(幸せは錯覚なのだけど)、愛ではなく欲望のおかげだから、散っている桜の花びらさえ愛おしいのでしょう。愛も恋も、ほんとうは愛も恋もないところにしかないのだ。だから傷ついたと言って泣かないで、そんなあなたが、不幸なあなたが、美しいのだから。2022/03/26
うさぎ
15
面白かった。よく思いつくなー、な短編集。特に「宇宙以前」が大好き。「きみ、孤独は孤独は孤独」の展開も面白い。夢中で読みました。2024/04/07
武井 康則
15
短篇小説集。「きみは透明性」「わたしたちは永遠の裸」「宇宙以前」「きみ、孤独は孤独は孤独」の4編を収める。表題にあるようにテーマは少女だが、あくまで観念的でそれは愛とか死と同義語になっている。類義語としては星やプラネタリウム、花、星、風かな。愛は純粋で相手が要らないほど。ただ存在していてそのためには死ななければならないほど。だから舞台はSFになり都市伝説になる。特定の読者を選ぶ少数派の小説群。私は観念の少女でないから、もういいです。2022/05/16
akarick777
7
かつて私が少女だった頃。好きになったあの人たちは、もしかしたら自分のために好きになったのではなかったかとヒヤリとする。幸せになりたい。その一心で生きる少女たちは、時に狂気さえ感じる。設定が突飛なものもあって、頭がぐるぐるしたけど読了。2022/06/08