出版社内容情報
聖徳太子を祀る四天王寺は、政敵の物部守屋も祀った。守屋が化身した鷹を追って、秦氏、金属民、良弁…へ。谷川民俗学の到達点。
内容説明
「青銅の神の足跡」にはじまり、「鍛冶屋の母」「白鳥伝説」と書きついで、本書「四天王寺の鷹」に終わる四部作で、私は金属民俗学の主題を追求した。それに携わる人々の生態はいうまでもなく、哀歓も見落さないようにつとめたつもりである―ヒューマンドキュメントとも著者が位置付けた、谷川民俗学の集大成、ついに文庫化!
目次
序章 物語の発端(白鷹の舞う空;四天王寺の三つの謎)
第1章 豊前の鷹(彦山・香春・宇佐;弥勒浄土;豊前の秦氏王国;香春岳の神々;白鳥と鷹;二つの常世の衝突;宇佐辛嶋氏の足跡;与曾女と清麻呂の対決)
第2章 良弁とは誰ぞ(諸国献上の鉱物;鷲にさらわれた子;山林修行の優婆塞;仏都紫香楽宮;西海の銅;大仏塗金の実相;山河漂浪の民)
第3章 秦姓の舞(秦氏の活動;秦河勝の命運;猿楽 諸座の名称;四天王寺の舞楽)
第4章 永奴婢の末裔(守屋の敗死後の四天王寺)
終章 聖霊会と公人長者
著者等紹介
谷川健一[タニガワケンイチ]
1921年、熊本県生まれ。東京大学文学部卒業。民俗学者。日本地名研究所を設立し、初代の所長をつとめた。2013年逝去。文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。