出版社内容情報
7年にわたる母親の介護、愛する人との別れの先に広がる自由とは…著者21年ぶりの長篇小説文庫化。「文庫版あとがきにかえて」収録
内容説明
「いつでも死ねる。それは、なにより大きな安堵だった。心残りもない。それは、大きな解放、自由だった」子どもの本の専門店「ひろば」を営みながら続いた7年にわたる母親の介護、愛する人たちとの別れ…その先に広がる自由とは果たして―。いま、冬子さんの「物語」が幕を開ける。書き下ろし「その朝、彼女に手紙を書いた」を収録。
著者等紹介
落合恵子[オチアイケイコ]
1945年、栃木県生まれ。作家。子どもの本の専門店「クレヨンハウス」と女性の本の専門店「ミズ・クレヨンハウス」、オーガニックレストラン等を東京と大阪で主宰。総合育児雑誌「月刊クーヨン」、オーガニックマガジン「いいね」発行人。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
18
私小説で7年にわたる母親の介護について書かれてる、要介護5という認定なので自宅介護は過酷だったと思われる、そして人生は一冊の本にたとえ、人は誰でも平凡な、けれど一つとして同じものはない本を一冊残し死んでいくという言葉が心に残った。2022/03/09
BamgB
2
自伝的な話。母親を自宅介護で見送り仕事を切り盛りし、マルチに活動していた冬子。やはり介護は愛情のリレーなんだと思う。子どもの時に受けた愛を今度は親に返す。だから反対に施設利用も有りだ。母親を送り仕事に精を出し、ふと気づくと体の不調で店を手放す決意。介護、仕事という任務から開放されて身も心も軽くなり、止まらない涙。全てからの解放。執着が無い者には死に対して淡々と寿命を全うする幸せが訪れるんだろう。心穏やかな老後ってお見事だ。2024/03/02
pantyclub
2
著者の大ファンなので読みました。自伝小説的な内容。力強く、優しい文章が素敵です。介護の大変さ、難しさが伝わる。被介護者の思いが表現されてるのが良いです。尊厳の問題がソフトに提起されている。自分の経験や後悔と重なる部分がありグッとくる。介護に対する考え方の難しさは変わらない。リアルな内容なのでかなりおススメの本です。2022/12/28
平坂裕子
2
人生は、一冊の本である。ひとは誰でも平凡な、けれどひとつとして同じものはない本を一冊残して。別れていく人が、ひとりまたひとりと増えていく、とても寂しい。2022/08/02
R
1
もうちょっと時間おいてからまた読もうかな。描写が綺麗だった。2023/04/05