出版社内容情報
カチカチ山、猿かに合戦など日本人なら誰もが知る昔ばなしから生まれた傑作ミステリーアンソロジー。その「怖さ」をあぶりだす7篇。
内容説明
カチカチ山、猿かに合戦、舌きり雀、かぐや姫…日本人なら誰もが知っている昔ばなしをもとに、伴野朗、都筑道夫、戸川昌子、高木彬光、井沢元彦、佐野洋、斎藤栄ら実力派作家が紡いだ、ミステリー短篇アンソロジー。昔ばなしの持つ「怖さ」をあぶり出す傑作7篇を収録。
著者等紹介
伴野朗[トモノロウ]
1936~2004。『五十万年の死角』で江戸川乱歩賞
都筑道夫[ツズキミチオ]
1929~2003。『推理作家の出来るまで』で日本推理作家協会賞
戸川昌子[トガワマサコ]
1931~2016。『大いなる幻影』で江戸川乱歩賞
高木彬光[タカギアキミツ]
1920~1995。『能面殺人事件』で探偵作家クラブ賞
井沢元彦[イザワモトヒコ]
1954~。『猿丸幻視行』で江戸川乱歩賞
佐野洋[サノヨウ]
1928~2013。『華麗なる醜聞』で日本推理作家協会賞
斎藤栄[サイトウサカエ]
1933~。『殺人の棋譜』で江戸川乱歩賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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麦ちゃんの下僕
166
1989年に刊行された『お伽噺ミステリー傑作選』の改題新装版。桃太郎の前日譚を描いた佐野洋さん以外は、現代ミステリーに昔話の要素を混ぜた作品です…が、冒頭の伴野朗さんとトリの斎藤栄さんの作品は、昔話はほとんど無関係でミステリーとしても残念な出来。高木彬光さんのは神津恭介・井沢元彦さんのは南条圭が登場しますが…まぁその“答え”以外考えられないですよね(苦笑) 戸川昌子さんのは、無駄に長いし“エログロ”としても中途半端。唯一楽しめたのは、猿蟹合戦をヤクザの抗争に置き換えた都筑道夫さん…完全なバカミスです(笑)2021/03/12
KAZOO
98
日本の昔話にちなんだとはいうもの厳密にはあまり関係のないような話もありますが、7人の作家によるミステリーです。比較的わたしの好みの作家さんが多く楽しめました。都筑道夫さんや高木彬光さんなどは既読ですが何度読んでもいいものだという気はします。2021/05/27
ゆみきーにゃ
94
タイトル読み。古めの文章に?って思っていたら何と大分昔の作品!!古めの文章でも短編集だったので読みやすかったので問題なし。カチカチ山殺人事件が一番好きな作品。2021/09/30
かんらんしゃ🎡
46
★もともと民話童話なんて暴力と人喰いの話さ。子供を怖がらせて、言うこときかせるパワハラモラハラのしつけ棒だ。★小っちゃな頃、親父に聞かされた話がある。山に迷った旅人を泊め、夜中に喰っちまうのだ。包丁を研ぐシャリシャリいう音。髪の毛をかき分けると、ワッ!頭の中にもう一つ口が隠れてる。山姥だ。眠れなんだ。もう今じゃオレが山姥の齢だが、この毛量じゃ隠しきれんわ.:*:・'キャハハ えっ!?本の話? 子供にゃ聞かせられんエッチな話がいっぱいよ!2021/05/22
momi
43
「カチカチ山」「猿かに合戦」「舌切り雀」「かぐや姫」「花咲か爺さん」など…あの誰でも知ってる童話を元に描かれている短編アンソロジー!!シュールでダークな不思議なお話の数々!!犯人の手がかりは狸と兎?!可愛い〜と思っていたら大間違い(笑)人間の怖さがあぶりだされている作品集でした!2021/02/17