出版社内容情報
ニーチェの言葉か漫画のコマか? たった140字で書かれた「有限性の哲学」。新たなツイートを加え、著者自ら再編集した決定版!
内容説明
ニーチェの言葉か、漫画のコマか?生活の些細な気づきからセクシュアリティ、社会問題まで、別のしかたで思考や感覚を掴まえようと試みる、たった一四〇字の「有限性の哲学」。動きすぎ、つながりすぎの世界で、孤独と共同性について、ツイッターを通して実践的に考えた未来の書。文庫化に際し、新たなツイートを加え、著者みずから再編集した決定版!
目次
1 方法について
2 空間について
3 幻想について
4 変化について
5 解釈について
6 倒錯について
7 境界について
8 秘密について
9 恥について
10 孤独について
著者等紹介
千葉雅也[チバマサヤ]
1978年栃木県生まれ。東京大学教養学部卒業。パリ第10大学および高等師範学校を経て、東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。現在は、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。初の小説となる『デッドライン』で野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tenouji
23
140文字詩。味わって言葉を拾おうと思ったけど、本文入ってから面白くて一気読み。まさに序破急w。共感できるところ多し、ではあるが、残念ながら私は大阪人なのであるw。散文的な加速感は、管啓次郎的であるとも感じた。内容は違うけど。2020/11/27
Kazuki
21
私の学力の問題が大きいと思いますが、正直何を言っているのか分からないところもありました。 でも千葉雅也さんの感覚なので、無理に分かろうとはしなかったです。分かるものだけを吸収すればいいかなと。 私は「〜するべきだ」って表現が嫌いです。でも気づかないといけないのは、無意識に自分も誰かに使っていること。後輩とかに「絶対そっちの方がいいよ」っていうのも「〜すべきだ」の言い換えになる。 言葉をどう捉えるかは人それぞれ。 だから大切に紡がないといけないって再認識しました。 2022/01/18
ゆう
20
千葉雅也の感覚はとても面白い。それは私にとって、彼が2020年代的な感覚を、90年代的な感覚を「なかったこと」にせずに、語り続けている稀有な人だからだという気がする。例えばオリンピック開会式において問題となった、小山田圭吾について、2020年代的な感覚から、あるいは90年代的な感覚から語る言説は多く溢れていたが、それらを架橋するような場所からの言説はなかったように思う。千葉雅也の言葉に触れると、彼がいる場所は、それらを架橋するような、マージナルな、交差点のような場所なのではないかという気がするのである。2023/08/11
生ハム
17
ツイッターが140字という制限になっていることに、明確な理由はない。 理由はないのだけれど、その制限のために、ツイッターはより魅力的なメディアになっていると感じます。 140字というのは、あまりに短く、不自由だ。 その一方で、一言だけつぶやくとすれば、140字という文字数はあまりに多すぎる。 この中途半端な文字数のおかげで、言葉は研ぎ澄まされ、削り落とされ、余白を付け足されているのだと思います。 その背後にある文脈や、それまでの発言の経緯を知るところに、 ツイッターの面白さはあるのだなと再認識しました。2021/01/30
takka@乱読
16
単行本の時からこの本を注目していたが、文庫化されるということでこの機会に買ってみた。哲学といえば、簡単に言えることもズラズラ長ったらしく難しい言い回しで書いているだけという印象の方もいるだろう。確かにそういう本もあるが、この本はそういうのを取り去ったTwitterというメディアにおける「非意味的な有限性」=140字以内のツイート集である。若者にとっては馴染みやすい文体で、非常に哲学に親しみやすくなるという画期的な本なのである。簡単に哲学に触れてみたい人へおすすめの本である。2020/11/07