河出文庫<br> オイディプスの刃

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河出文庫
オイディプスの刃

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  • サイズ 文庫判/ページ数 327p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309417097
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

夏の陽ざかり、稀代の妖刀「青江次吉」が招いた驚愕の惨劇。大迫家の次男・駿介が憧憬を抱く刀研師の死を皮切りに、父と母も次々と自死を遂げたのだった。事件により離散することとなる駿介たち三兄弟。十三年後、「次吉」は、母の愛したラベンダーの香りとともに再び駿介の前へ現れ、彼を悲劇へと導いてゆく…幻影妖美の傑作刀剣ミステリ。

著者等紹介

赤江瀑[アカエバク]
1933年、山口県下関市生まれ。日本大学芸術学部中退。70年「ニジンスキーの手」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。74年『オイディプスの刃』で角川小説賞、84年『海峡』『八雲が殺した』で泉鏡花文学賞を受賞。2012年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

78
日本刀というと美しくも怪しい光と常に孕むイメージがある。その刃の輝きをそのまま文に移したような傑作。ある夏の日、一人の刀研師と一組の夫婦が「青江次吉」によって死んだ。残された三兄弟に絡む物語なのだけど、誰も彼もが影絵芝居のように運命の糸に操られるように事件の影響の下から逃れられず進んでいく。独特の美文と日本刀、香水といった著者の美学を写しだすような小道具が反映する世界観にこちらも呑まれ、読む手が止まらない。夏の日の惨劇から雪の中の終局まで、美というものが持つ業にこちらまでが絡めとられる読書体験でした。2021/04/02

けろり

43
表紙に惹かれ手に取りました。恥ずかしながらこの作品と作者の方を存じあげていなかったため、もっと軽いミステリ物かと思い読み始めました。 その自分の浅はかさに気付いたのは序文からでした。ぐんぐんと惹き込まれる妖しげでアンバランスな世界。この作品を通して、ずっと自分の中にはランベンダーの香りと刀の青光りするイメージが付き纏っていました。思いがけない本作との出会い。読了した今、久しぶりにがっつりと本を読んだなぁとしみじみ静かな満足感に包まれています。2020/02/15

geshi

42
妖刀『青江次吉』によって運命を歪められた人々の物語。美しく飾り立てられた文章はねちっこく、読んでいるうちに絡めとられていく。官能的で背徳的で倒錯的で、でも愛の形として強烈な印象を残すのは視覚的なものだけでなく、ラベンダーの香り・暑さ寒さの感覚・様々な感覚が刻み込まれる。事件の真相はミステリとしてはあまりによくあるものなのだが、それを幻想の中でたゆたわせ、読者全員が主人公と同様に『青江次吉』の魔力に魅入られてしまう文章の力。三兄弟の行き着く先は、こうなるしかなかったのだと思わせるカタストロフィー。2020/08/21

ぐうぐう

40
刀は血を求め、血を吸う、とよく言われる。赤江瀑の『オイディプスの刃』も一見、そのような物語に思える。確かに、妖刀・青江次吉がストーリーの中心に据えられ、それが全編をまさしく貫いている。次吉に魅せられた人々がその刃に果て、理不尽な血が流されている、ように見えるが、本当にそうか。次吉は父と母、そして刀研師の男をさっそく生贄にするが、『オイディプスの刃』は遺された息子である三兄弟の物語だ。タイトルが示す通り、母をめぐる息子達の愛憎が少しずつ明かされていく本作には、(つづく)2022/01/13

タカギ

28
ミステリと言われると…うーむ。幻想文学かな。比較的読みやすい。文字が頭の中をくるくる回るような、豪華絢爛な美文。資産家の父、後妻の母、前妻の子の長男、母の連れ子の次男、父と母の実子の三男、醜女の父の妹、刀研師の青年。そこに妖刀・青江次吉や香水、窃視、夏の陽射しなどが絡み合って眩暈感をもたらす。タイトルは兄弟たちの諍いのもととなったものが美しい母・香子であったためと思われる。感情的には理解しがたいけど、妖艶な雰囲気は堪能した。耽美。2021/03/09

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