出版社内容情報
競馬場で男が殺された事件を皮切りに容疑者が次から次へと殺される殺人リレーが始まった――警視庁の海方&小湊の刑事コンビが挑む!
内容説明
大観衆に湧く競馬レースの最中、男が刺殺された。偶然居合わせた警視庁特犯課の新米刑事・小湊進介はベテラン刑事・海方惣稔とともに捜査を開始。鮮やかな手口からすぐに容疑者の名前が挙がるが、この殺人を皮切りに容疑者が次から次へと殺されていく殺人リレーがはじまり…果たして真犯人が仕組んだ謎を、二人は解けるのか?
著者等紹介
泡坂妻夫[アワサカツマオ]
1933年東京生まれ。家業の紋章上絵師の仕事をしながら推理小説を書き、76年「DL2号機事件」が第1回幻影城新人賞佳作入選して作家デビュー。78年『乱れからくり』で日本推理作家協会賞受賞。90年『蔭桔梗』で直木賞受賞。マジシャンとしても有名で、創作奇術で石田天海賞受賞。本名の厚川昌男名義でのマジック関連著作も多数。2009年2月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
54
競馬場で起きた殺人、その手口から犯人の逮捕は時間の問題と思われたが、その容疑者もまた…。と次から次へと巻き起こる連続殺人はまさに輪舞。クリスティの某作品を思い起こしたけど、本作品は「容疑者が次から次へと殺される」(公式の粗筋でネタバレに非ず)という各事件ごと繋がりがあり、それでもその背後関係が見えないという部分が非常に面白い。特にある一言とある不自然さから真相に迫る部分は思わず膝を打ちました。ラストも秀逸。あとこの著者の他の例に漏れず、探偵役がきわめて個性的でその点でも楽しめた。フロスト警部思い出すなあ。2019/02/20
hnzwd
29
若干時代は感じるものの、複数人による連環殺人というのは魅力。解決が想像できちゃうのは、最近の本格が狙い過ぎだからでしょうね。。とはいえ、お手本のような伏線は凄い。流石としか言いようがありませんでした。2019/08/20
geshi
29
殺人が起こり犯人があっさり分かっても、その犯人が殺されてしまうリレー殺人事件がテンポよく展開してそのリズムに乗せられる。偶然の事故や鎖の欠けなどひねりを加えた先の見えないストーリーテリングが流石のうまさ。下品で怠け者なのにキレる海方の強烈なキャラクターもさることながら、それを白い目で見ながら感化されて徐々に怠け癖がついていく小湊も面白い。笑いが押しつけがましくないのが泡坂さん作品だよなぁ。派手な見せ場の裏側で確かに伏線を張っていることに気付かせないマジックのような手際が光る。2019/03/11
いっくん
26
海方・小湊シリーズ1作目。競馬レースの最中、一人の男が刺殺された。手口から直ぐに容疑者は判明したが…。てっきり短編だと思って読み始めたら、長編でした^^;薄い割には人が次々と登場してくるから始めはついていけるか心配になりましたが杞憂でした。本作の企みは途中で(初めから?)わかってしまうけど、これも職人技でしょうか。展開が面白くて飽きさせないのが驚異的。鷹の件はちと苦しいけど…(笑)下衆で敏腕刑事の海方惣稔がまた特異なキャラで『毒薬の輪舞』も楽しみです(^_^*)2019/04/20
Ayah Book
25
輪舞シリーズ一作目。キモかわいい(?)実は切れ者刑事海方と、新人の小湊刑事の本格ミステリ。他の方も書いている通り、犯人は分かりやすいかとも思いますが、輪舞のような殺人のアイデアが楽しくて(不謹慎ですが)読ませる。ユーモア・ミステリという感じだろうか。リアリティとかは置いといて、この時代の雰囲気を味わいたい。2022/09/21