出版社内容情報
橋は異なる世界をつなぎ、様々な物語を引き寄せる。奇妙な橋、血みどろの橋、あっと驚くような橋…興味深いエピソードとともに紹介。
中野 京子[ナカノ キョウコ]
著・文・その他
内容説明
橋は二つの異なる世界―日常と非日常、此岸と彼岸を結ぶものであり、出会いと別れの場、ドラマの生まれる舞台でもある。奇妙な橋、歴史的に大きな意味を持った橋、空想の橋、折れた橋、血なまぐさい橋、絵画に描かれた橋…そんな橋たちをめぐる、とっておきの物語を五十五話収録。
目次
奇(悪魔の橋;犬の飛び込み橋 ほか)
驚(人間、渡るべからず;水面下の橋 ほか)
史(アントワネットは渡れない;ロンドン橋、落ちた ほか)
情(愛妾の城と橋;ゴッホの橋 ほか)
著者等紹介
中野京子[ナカノキョウコ]
作家・ドイツ文学者。2017年「怖い絵展」監修者。新聞や雑誌に連載を持ち、講演会やテレビ出演など多方面で活躍。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
117
もともと北海道新聞の連載コラムを単行本にしたものをそのなかから選りすぐって文を付け加えたりしたものを文庫化されたようです。読んでいて単行本で読んでいたことを思い出しました。とくにこの表紙がなんともいえず不気味な感じです。橋といっても実在するものやあるいは物語や歌にあるものなども採り上げていていて楽しめます。写真もあります。2019/04/10
sin
62
中野京子…と、云えば「気合い!」いや『怖い絵』、本作は“橋”である。やはり怖い裏話が添えてある。絵画も建造物も人が関わる事柄は“怖い”のだろうか?それはさておき魅力的な逸話が次から次に披露される。人生は怖い?いや、深い!2020/03/01
キムチ27
57
筆者は愛読作家のひとり。疲れた時、体調悪い時に最適。見開き2頁に言わんとするものがギュッと詰まっている。どこから読んでも、途中下車でも、出入りが楽。美術で「橋」が出てくるのは意外。セクションが「奇・驚・史・情」無論、筆者の選択だろうが その意図するところが面白い。毎度ながら、筆者のうんちくと温故知新から引き出された世の中の条理との結び付けにもくすっとした。「マーラーとヴェネツィアはよく似合う」なんてのも♪2019/02/22
けぴ
50
「怖い絵」の作者なので、「怖い橋」という書名にしたのでしょうが、絵画はあまり出てきません。『鳴門ドイツ橋』第一次世界大戦で日本の捕虜になったドイツ人。鳴門の街で普通の生活を送る。居心地よく脱走する者もほとんどいない。木の橋が壊れたとき、ドイツ人が石で橋を造る。それが鳴門ドイツ橋。やがて大戦終了。日本に残るドイツ人も多く、その中に今のユーハイム創業者が!橋に纏わる豆知識が面白く、数話ずつゆっくり読むのがおすすめ。2020/04/29
paf ❤︎
35
京子さん、いつもの絵画ではなく、世界中の橋にまつわるアレコレ。歴史に明確に刻まれた事実から、あの世の物語に至るまで、非常に面白かった。どの橋も、是非とも直接体験したい! 身近なところでは、ドイツ人の俘虜が積んだどいう鳴門のドイツ橋。あ、犬が飛び降りる橋も気になるなあ…。2019/06/28