出版社内容情報
生死を乗りこえ超然の高みに達した余を、小癪な若者が破滅の旅へ誘う。神の遣いか悪魔の遣いか。『どつぼ超然』続編となる傑作長篇。
内容説明
先生は人間からすればゴミクズですがミミズやミジンコからすれば神さまのような存在です―ひとりの小癪な若者の挑発が、絶海の孤島で死すら乗りこえ、超然の高みに達したはずの「余」を破滅の旅へと誘う。辿り着いた沖縄の荒野で再び死に直面し、いつしかボーカルとしてバンドに参加。これは神/悪魔の意志なのか?人間存在そのものと世界の深淵に迫る、『どつぼ超然』に続く傑作長篇。
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
1962年、大阪府生まれ。97年『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2000年「きれぎれ」で芥川賞、01年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chanvesa
21
『どつぼ超然』の続編みたいだが、袂拾郎という若い友人が加わり、まるで内田百閒と山系くんみたいな感じになるが、町田さんの世界なので、破天荒な世界にどんどんはまっていく。一つのことに拘泥し、あらぬ方に進んでいく様は、『どつぼ超然』をよりも激しいし、わけのわからない人物がいろいろ出てきて、こちらのほうがより面白かった。2018/02/04
Matoka
15
どうしてこんなバカげた話がかけるんだろう。あまりにもバカげてるんだけど何故か最後まで読んでしまう。読ませる何かがあるのが不思議。油断してると鋭い言葉がグサリと入ってくる。ホント、不思議な作家さんだ。2018/10/01
ちぇけら
12
余の饒舌と思弁のメロディが、延々と永遠に波打つ。生きていかなければ。生きるんだ。超然のその先に到達した余を目撃できたことがとてもうれしい。喜びと悲しみとナンプラーが混じった感情をいつまでもいつまでも感じながら生きていたいと思った。2018/07/28
yutaro sata
11
うん、まあ、そうだ。2022/07/16
エリ本
10
なぜ沖縄?あぁ~これは実際行ってるな。行って、国際通りから少し奥に入った路地裏にあるビルの2階のライブハウスでライブをやったんだな。席を埋め尽くす熱狂的ファンを前に熱く歌い上げる町田康さん(想像💦)でも頭の中では、今回の年下袂君との異世界珍道中を練り上げている、そのギャップがどうにもたまりません。😄2020/11/29