出版社内容情報
記憶を失う難病の32歳・女性。末期ガンの58歳・男性。男と女は「脳間海馬移植」で、互いの肉体に“入れ替わる”。佐藤優氏絶賛。
中原 清一郎[ナカハラ セイイチロウ]
1953年生まれ。76年東大在学中に外岡秀俊名義で書いた『北帰行』で、文藝賞受賞。現在、「外岡秀俊」名でジャーナリストとしても活躍。著書に小説『ドラゴン・オプション』のほか『3・11 複合被災』等多数。
内容説明
末期ガンで余命一年を宣告された58歳の寒河江北斗。記憶を失う病に冒された、幼い子を持つ32歳の氷坂歌音。男は延命のため、女は子供のために「脳間海馬移植」によって、互いの肉体に入れ替わるが…。
著者等紹介
中原清一郎[ナカハラセイイチロウ]
1953年、札幌市生まれ。76年、東京大学在学中に、外岡秀俊名義で書いた『北帰行』で、第13回文藝賞を受賞し、デビュー。77年、朝日新聞社入社後、小説活動を休止。ヨーロッパ総局長、東京本社編集局長、編集委員などを経て、2011年退社。14年、中原清一郎名義で『カノン』を発表し、大きな話題を集めた。また現在、外岡秀俊名義でジャーナリストとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイジ
7
人の心は脳に宿るのか体に宿るのか、を親子の愛情を描きながら問うお話です。女性が持っている視点を教えられました。2018/01/05
すうさん
5
58歳の末期がん患者と記憶を失っていく32歳の女性の体と心が入れ替わるという設定。「心とは何か」がテーマなのだろうが私には同年齢の58歳の気持ちがよくわかる。亡くなるまで意識がのこり家族とコミュニケーションができる死に際がいいのか、苦しみも悲しみも全て忘却していくような痴呆がいいのか。人生は「死に向けて進む時計の針」だという主人公の言葉が真実を言い当てる。主人公カノンの母との再会では「誰にどうやって記憶されたいか」というドラッカーの言葉を思い出した。久しぶりに読んだ小説は深く静かな感動を残してくれた。2017/12/27
V6_1800
4
出来の良い小説で、気づくことや感じることはたくさんあるし、共感できる部分も多く読んで良かったとは思うんだけど……。 生命、老い、医学、倫理、親子、性差、ジェンダーとテーマ盛り込み過ぎで中途半端な感想。ストーリーはいいんだけどなぁ。2022/11/06
2echo
2
海馬の移植、え?!どうなる???期待とは全然違った・・・そしてこの展開だと、海馬だけの移植で、脳全体ではないのに~そこまで?とリアルに思う。心とはどこにあるのか、ってことですか?2017/03/24
南雲吾朗
2
心というものの扱いに非常に感銘を受けました。 そのほかに、事柄に対する考え方や感じ方が男女でこれだけ違うのかと認識させられました。非常にためになるしょうせつでした。2017/03/24