出版社内容情報
父と母が住む《碧い惑星》へ帰りたい。《鐶の星》で生きるアナナスとイーイーに脱出の道はあるか? SF巨篇を一冊で待望の復刊!
【著者紹介】
東京生まれ。女子美術大学卒業。1988年『少年アリス』で文藝賞受賞してデビュー。『天体議会』『新世界』『野川』他数々のロングセラーがある。『冥途あり』では泉鏡花文学賞と野間文芸賞をW受賞。
内容説明
アナナスとイーイーは“鐶の星”の巨大なビルディングで同室に暮らしている。二人は、父と母が住むという碧い惑星に憧れ、帰還を夢みている。出口を求めて迷路をひた走る二人に脱出の道はあるのか。そして、碧い惑星はまだ存在しているのか?…SF巨篇を一冊で待望の復刊!
著者等紹介
長野まゆみ[ナガノマユミ]
東京都生まれ。88年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞し、デビュー。『冥途あり』で泉鏡花文学賞、野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
橘
26
復刊で再読しました。この不思議で寂しい感じが好きです。わからないことはたくさんありますが、全部理解できる、というのも味気ないので、この世界観はたまらなく良いです。「誰かをキラうというのは、同時に自分の一部を失くすことでもある」という一文が心にひっかかりました。アナナスとイーイー、二人の間に交わされるやりとりが切ないです。一冊になって分厚かったですが、今回も引き込まれました。2016/08/26
myc0
16
1000冊目は、この本の再読と前から決めていた。ママダリアが棲む青い星からはるかに離れたどこかの星で、テレビジョンに囲まれながら暮らすアナナスとイーイー。序盤から不気味な気配が漂い、ひやりとする。光、雨、宇宙…この作品の世界観は、先日行った「チームラボ」に似ている!17年ぶりの再読で、高校生の時と同じようにこの作品に感動できる自分にも安心した。言葉は死んでも文字は残る、その言葉がずっと支えになっている。2023/03/05
ぱどり
14
再読に次ぐ再読。完全には理解できないこのSF、それでも引き込まれるのは切ない物語と中二心をくすぐられる登場人物の描写。特にイーイー!ショッキングピンクに一部染められた髪の毛、真似したい…と思ったまま出来ずに三十路。2019/10/06
ぱどり
13
中学生のころ大好きで何度も読んでいた本が復刊していましたので再読。 「環の星」のビルディングを舞台に繰り広げられるSF。美しい文章と少年たち、謎めくストーリーが好きです。いろいろと謎は残したまま終了するものの、切ない物語だなぁ。 ゾーン・レッドの描写がたまらなくてそこだけ何度も読んでしまう。吸い込まれてしまいそう。2019/02/20
信兵衛
13
無理に解釈しようとしてもしたかたなく、ただこうした作品なんだな、と受け止めればいいのかなと思います。2016/05/03