河出文庫
ニューヨークより不思議

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  • サイズ 文庫判/ページ数 359p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309413860
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0136

出版社内容情報

27年の時を経たニューヨークへの旅が告げる、どこにも帰属できない者たちが集まる都市の歓喜と幻滅。みずみずしい長編エッセイ。

四方田 犬彦[ヨモタ イヌヒコ]
著・文・その他

内容説明

ニューヨークより不思議なのは、そこに集まるよそ者、ストレンジャーだ。日本人、韓国人、中国人、キューバ人、パレスチナ人…一九八七年と二〇一五年。二十七年の歳月を経てなされた二度の滞在が、民族と国境を越えたアーティストたちの希望と期待、楽観と悲観を著者に描かせた。痛快な長編エッセイ。

目次

第1部 ストレンジャー・ザン・ニューヨーク(天国と異邦人;到着直後;文革の記憶;ジャカルタの貴公子;ダ、ダ、ダ、ダンス! ほか)
第2部 ニューヨークより不思議(ニューヨーク再訪;惨劇のメモリア;“わたしはまだ生きています”;キューバ人たち;三人のキューバ人アーティスト ほか)

著者等紹介

四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年生まれ。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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rokubrain

6
1987年と約30年を経た2015年の2度のNYの滞在を経て、 芸術家たちとの交流から自身を含めた内面の変化、世の変化を思索したエッセイ。日本語をさながら外国人のように書きながら思考することを心掛けた。人と出会って勉強し、自分を成長させようとしている姿勢がいい。人は2度、独り立ちするものだと思う。始めは子供が親の助けを受けながら成長する過程で。もう一つは自分の才覚で「自分」になっていく過程で。そんな「自分」への過程がこのエッセイから多種多様なNYのストレンジャー(異邦人)から見えてきた。2017/11/11

3
著者が約30年前に一年滞在したころのニューヨークの不思議なアジア系アメリカ人中心にエピソードが続く本 様々なアートシーンがどのように変わっていったのか、それぞれの人物の育った背景も語られていく。人間どこに住んだってそう変わった生活じゃないよという 言葉は同感だ。2018/11/02

3
本書は、江藤淳『アメリカと私』(1962-64)の四半世紀後(1987)に渡米した四方田版「アメリカと私」であり、文庫化にあたり直近の滞在記(2015)を加えたものだ。静かな大学町でアカデミズムに身をおいて、慎ましい交友関係を育みながら、逆説的に日本を発見していった江藤との懸隔は大きく、著者は、大学での研究にはふれず、書を捨てて町へとくり出す。NY在住のアジア系アーティストらとの交流を通して、どこにも帰属しない者同士のゆるやかな連帯感を見出していく80年代のきらめきと、近年との落差に時の流れの儚さを想う。2015/08/16

3
ニューヨークに滞在した体験をもとにして執筆されたエッセイ。1987年の旧稿を再録した第一部と、2015年に新たに書き下ろされた第二部から成り、30年近い歳月で変化した街の在り様と作者の心境が読み取れる。共産圏から脱出した人々が捨てられない出自に苦しみながら築いていった混沌とした文化が、都市再開発や911で「アメリカらしく」管理された街へと変貌を遂げた。どこにも帰属できない人々が集まって住んだニューヨークは消えたが、ユースカルチャー&アートの街として流行の最先端の街となり、そこに作者は馴染めそうもないのか。2015/10/08

Amarilli

2
ストレンジャー・ザン・パラダイスの解説を見るとは思わなかった(表紙の白抜きは気づかなかった。そうか、そう訳すのか。モヤモヤが霧散した後、靄がかかっていたことに気づく)ので、エッセイも偶には良いものだ2020/02/06

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