出版社内容情報
女ごころを書いたら、女子以上! ダメ男を書いたら、日本一!! 女主人公5人VS.男主人公5人で贈る、夢の紅白短篇競演。
【著者紹介】
1972年生まれ。「サイドカーに犬」で、文學界新人賞を受賞し、デビュー。「猛スピードで母は」で芥川賞、『夕子ちゃんの近道』で大江健三郎賞を受賞。著書に『泣かない女はいない』など多数。
内容説明
女ごころを書いたら、女子以上!男を書いたら、日本一!!女主人公5人VS.男主人公5人で贈る、夢の紅白短篇競演。『ジャージの二人』『ぼくは落ち着きがない』のスピンオフや名作「十時間」「祝福」など、十篇を収録。
著者等紹介
長嶋有[ナガシマユウ]
1972年、埼玉県生まれ。2001年「サイドカーに犬」で、文學界新人賞を受賞し、デビュー。02年「猛スピードで母は」で芥川賞、07年『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞を受賞。コラムニスト(ブルボン小林)、俳人としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
61
読み終えると一抹の物悲しさを感じる著者らしい短編集です。「僕は落ち着きがない」、「ジャージの二人」のスピンオフを含む短めの10作品が収録されています。銀行強盗に遭遇した女子が回想する高校時代の一コマ「噛みながら」、顔見知り程度の知人との初めての釣り「海の男」、社宅で母の帰宅を待つ姉妹「十時間」が良いです。特に「噛みながら」は、ふとしたきっかけで、封印された過去が沸々と湧き上がる様に、共感してしまいました。主人公は、”人を噛む”という当時の衝撃的な思いに突き動かされて、強盗に対し大胆な行動に出るのです。2021/05/11
アマニョッキ
57
きたるべき日にむけてぼちぼち再読中。女主人公VS男主人公、交互に交わされる10篇の紅白短篇競演集。毎回心にひびく作品が違うというナガシマジックにどっぷりはまる心地よさ。今回は「海の男」から「十時間」への振り幅にあらためて感動。紅白アーティストに例えると、奥田民生からのちあきなおみへの流れのような。あれ?民生くんとちあきさんって紅白出演してましたっけ?まあイキフン?つーかフンイキ?つかフィーリング?ああ、あらかじめわかるこのどうでもよさがわたしを救うんだなーこれが。2019/05/22
いちろく
38
紹介していただいた本。日常を淡々と何の掴みどころも無い状況を描いているだけなのに、何故ページを捲ってしまうのだろう。解るわ、という自分自身の経験と重なる所や、共感する部分に惹かれている事は確か。理解出来る出来ないではなく、世界感そのモノを楽しむような感覚。捉え方なんて色々ある。それを教えてくれる感じがする。2017/03/31
たぬ
37
☆4 長嶋氏6冊目。なんてことのないありふれた(「嚙みながら」はなんてことありすぎてるけど)日常の描写が10編。そういうこともあるよね、その気持ちよくわかる。ちょいちょい共感ポイントがあるからかな、読了直後じゃなく少し経ってからのほうが「また読みたい」って気持ちが強まるのは。2021/09/13
アマニョッキ
37
読友さんに薦めたとたん自分にも火がついた。読書不振を吹っ飛ばす長嶋有パワー。一晩で読む。やっぱり好きだ。好きすぎだ。好きすぎて好きすぎて震える。(西野カナか!)今回も(どうでも)いい言葉をたくさんもらった。だけど、このどうでもいい言葉が世界を救っちゃったりするのかも!と思わせるのですよ長嶋有は。本当はそんなことないって分かってますよ。だけど少なくとも私は救われちゃうのです。出会えてよかった長嶋有!そして小沢健二!2017/03/31