河出文庫<br> 味を追う旅

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河出文庫
味を追う旅

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  • サイズ 文庫判/ページ数 183p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309412580
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

グルメに淫せずうんちくを語らず。東京下町のなにげない味と取材旅行で立ち寄った各地のとっておきのお気に入り、そして酒、つまみ。

【著者紹介】
1927-2006。東京生まれ、作家。純文学短編、記録文学、戦記小説、事件小説、歴史小説など。作品に『破獄』『陸奥爆沈』『天狗争乱』など。吉川英治文学賞、讀賣文学賞、大佛次郎賞、菊池寛賞ほか受賞。

内容説明

北は北海道から西は四国、長崎、南は沖縄まで、出合ったうまい物の思い出の数々。気のきいたものから、裏通りの何気ないうどんまで。取材の裏に食の影あり。旅先の朝は市場がよい。東京にも、旅はある。吉祥寺で鴨肉に舌つづみ、下町浅草にも訪う店は少なからず。口福、そして居心地。蘊蓄無用の紀行集。

目次

ペテン
タラバ蟹の記憶
梅干しにカツオ
味覚極楽
苦しいときの鮨だのみ
カステラの手づくり三百五十年の味
長崎半島でフグとカマボコ
舌の味
宇和島の不思議なうどん屋
美しき村に家族と遊ぶ〔ほか〕

著者等紹介

吉村昭[ヨシムラアキラ]
1927年、東京生まれ。小説家。東京開成中学を肺結核のため休学。卒業後、長兄の会社で働いた後、終戦後に学習院大学中退。在学中に同人誌『学習院文芸』(後に『赤絵』)に参加。1958年、短編集『青い骨』を刊行。『星への旅』(太宰治賞)、『深海の使者』(文藝春秋読者賞)、『ふぉん・しいほるとの娘』(吉川英治文学賞)、『冷い夏、熱い夏』(毎日芸術賞)、『破獄』(讀賣文学賞・芸術選奨文部大臣賞)、『天狗争乱』(大佛次郎賞)。2006年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

63
住むところの近くに行きつけの店がある。その店はいわゆる高級店ではなく、安くてうまい店である。蕎麦屋では酒を飲む。旅先でも、その町その町にうまい店を知っている。食事付きの旅館には泊まらない。どこでもありきたり料理しか出ないからだ。ホテルに泊まり街中にあるうまい店に出かける。朝飯はその町の市場に出かける。市場の周辺の店は、食材を知り尽くした玄人相手の店だけに、材料、味、値にウソが無い。客に気を遣わせるような偉そうな店主のいる店には行かない。人におもねることはしない。吉村昭氏はそうした人だ。手本としたい。 2013/11/28

mondo

33
吉村昭のエッセイには、食や酒に関するものが多いが、旅と食、酒をまとめた一冊がこれ。吉村昭は平成18年7月31日に逝去されたが、墓は越後湯沢にある。この地に別荘を持ち、多くのエッセイもこの地で執筆された。先日、氏の墓参りに行った折に蕎麦屋に入った。「食と酒 吉村昭の流儀」を書いた谷口桂子さんに紹介してもらった「しんばし」という店てある。つまり、氏が好み通った店だ。そんな旅の思い出をブログにしました。https://mondo7.hatenadiary.jp/entry/2022/07/20/175037

り こ む ん

27
吉村昭氏の味のエッセイ。とにかく庶民的。そして、酒。個人的には、余計な味の表現がないのがうれしかった。まどろっこしいワインの様な表現があると…うまいんだか?不味いんだか?てんて想像できないのだけど、氏の表現はシンプル。本当に美味しくて、嬉しいんだな。と、感じる。氏にとっての「美味しい」は、人、雰囲気、値段。それを含めての味なのだな。分かるような気がする。2014/01/17

ちび\\\\٩( 'ω' )و ////

24
無趣味だと仰る著者だが、食べることにはかなり拘(こだわ)りを持っておられる。所謂「食通」ではない。食通は美味ければ金額に拘らない人が多い。しかし著者は金額にも拘るのである。それは戦争時代の食えなかった食生活にあるようだ。著者は美味いと安さに拘る食通人である。そして店の店員や客の質によって味が変わるとも仰られている。これは自分も思う。態度の悪い店には二度と行きたくなくなる。年齢を重ねる程顕著に感じます。読んでいて気遣いが凄い人だと思った。食通ではないと仰られているが、間違いなく自分よりはグルメな方だ(笑)2019/02/26

やどかり

23
食通ではないと言っているが、地元の手頃でおいしいものを探して食べるって1番の贅沢なんじゃなかろうか。吉村氏が取材で行った先々での食べ物の話は、こだわりがありおもしろかった。2019/09/17

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