内容説明
ジャズの帝王=マイルス・デイヴィスの生涯を論じる東京大学講義はいよいよ熱気を帯びる!下巻はエレクトリック期から沈黙の六年、そして晩年まで。
目次
第4章 電化、磁化、神格化―1966‐1976(アコースティックからエレクトリックへ;さらなる電化/磁化への道程;エレクトリック・マイルスの構造分析;『オン・ザ・コーナー』から引退まで)
第5章 帝王の帰還―復帰‐1991(帝王のいない六年;八〇年代の感傷的な速度;帝王の退場、二〇世紀の終わり)
著者等紹介
菊地成孔[キクチナルヨシ]
1963年、千葉県生まれ。音楽家、文筆家。ジャズに軸足を置きながら、ジャンルレスな音楽・執筆活動を展開
大谷能生[オオタニヨシオ]
1972年、青森県生まれ。批評家、音楽家。sim、masなどのバンドに参加し、日本のインディペンデントな音楽シーンにて積極的な活動を行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fishdeleuze
3
菊地=大谷コンビの論考はどれもスピード感がある。マイルス・デイヴィス研究は,『憂鬱と官能…』や『東京大学…』シリーズで扱い切れないので別に書かれたものだが,一連の著作の延長にあるといってもいいだろう。下巻は電化マイルスから晩年まで。60年代クインテットから電化へ至る流れや,菊地曰く「マイルス発狂記」の日常,1975年から5年間の沈黙,そして再起。音楽史的にはKind of Blueなのだろうが,個人的にはIn a Silent WayにはじまりGet Up With Itまでの一連の作品に愛着をおぼえる。2012/06/04
Takuo Iwamaru
3
現時点で僕がいちばん好きなマイルスの曲は、アルバム「パンゲア」のディスク1に収録の「ジンバブウェ」の「冒頭約15~20分」(笑)(「ジンバブウェ」は41分の曲です)。初めて聞いたとき、凄すぎて本当に声に出して「あはははははは」と笑ってしまったのを覚えています。あぶないやつです。さらに興奮のあまりCD聞き終えた後に、親しくしていただいているジャズバーのマスターにいきなり電話をかけて「いまパンゲア聞きました」的なことをしゃべっちゃいまして、迷惑なやつです。今聞いてもやっぱり凄すぎて笑ってしまいます。2012/03/28
引用
2
ケイ赤城インタビューが一番面白い2021/01/16
CCC
2
キーワードは『アンビヴァレンス』。停留しない人だとは思っていたけど、ここまで不安定な人だったとは。マイルスは触りくらいしか聞いてないけれど、面白い講義だった。勉強嫌いだし大学も行ってないけど、こういう話だったらいくらでも聞いてみたい。2012/10/17
Ichiro Toda
1
Miles Davisの一生を年代毎に追っていった東京大学の講義録+interview。講義録は本当に面白く、サブスク時代で音源にアクセスしやすい現環境だからこそ、スムーズに話を聞くことができる。講義の面白さもさることながら、ケイ赤城のインタビューは本当に面白かった。講義だけでは、人物像の外側は理解することができても、実際のエピソードが語られると途端に人物が浮き上がり、それまでの講義に血が通ってくる。Kind of Blueについての言及はほぼ無いが、それ以外の作品にはほぼ言及があるのでお楽しみに。2020/02/21