内容説明
あるときはスペインの浜辺でパエリャに舌鼓をうち、またあるときはカポーティのベイクドポテトに想いを馳せ、なべ料理に亡き夫を思い出す―食べることの歓びがあふれる素敵な一冊。『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』姉妹編。
目次
ロールキャベツは世界の愛唱歌
父とアラン・ドロンとスープ
みどりの島タヒチ
春はふわふわ玉子のスフレから
クレープでブランチを
父とニューオルリンズと
ナスのキャビアとムサカ
夫の味とわたしの味
東京の空の下オムレツのにおいは流れる
浜辺のパエリャ・バレンシアーナ〔ほか〕
著者等紹介
石井好子[イシイヨシコ]
1922年、東京生まれ。米国留学を経て51年、フランスに渡り、パリでシャンソン歌手としてデビュー。世界各国の舞台に出演し、帰国後は歌手、エッセイストとして活躍した。2010年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ホークス
46
食エッセイ。著者は1922年生まれのシャンソン歌手。「巴里の(〜以下同名)」がとても美味しそうだったのでこちらも。色んなスープが登場する「父とアラン・ドロンとスープ」は、いつ何処でどんな風に美味しかったか連綿と語られ、文字を追うのが楽しい。紀行文は繊細で貪欲なフランスを始め、イギリス、スペイン等、土地柄が料理に現れる。著者のエッセイは、特に調理する描写が、景色や料理の味を何倍にも豊かにする点で異色である。バタ、オルドーブル、キャフェ・オ・レ等クラシックな言葉も味わい深い。高山なおみと平松洋子のダブル解説!2018/06/16
藤月はな(灯れ松明の火)
43
私にとってパ・マルマシリーズ、妖怪アパート、香奈里屋シリーズ、「ブエノスアイレス食堂」(←!?)と並ぶ、空腹時に読んだら危険で美味しい料理が再現したくなる本となっています(笑)カロリーへの気に仕方やシャンソン歌手として冷たいものを食べることへの非難への反発にくすりとし、家族との食の思い出にしんみりし。「時間が命!」の卵のスフレ、絶賛ムース、肉とプラムの煮込み、茄のキャビア、ロールキャベツやクレープのグラタンなど美味しそうな料理もたくさん。個人的にホワイトソースの作り方の紹介が有り難かったです^^2013/05/29
るぴん
31
『巴里の空の下ー』から20数年後に書かれた料理エッセイ。20数年の間には、事務所の設立や、ご主人やお父様を亡くされたりなどの出来事もあったそうで、そこが楽しさと若さが伝わってきた前作との違い。とは言え、美味しそうな料理の描写力は健在。ロールキャベツグラタン、アラブ料理の数々、大鍋で作るパエリャ・バレンシアーナなど、現地に行って食べたいものばかり!私は作るよりも食べる方が好きだけど、石井さんのように、気軽に人を招いて美味しいものを作るのが好きな人に憧れる。高山なおみさんと平松洋子さんのダブル解説が豪華♫2017/04/24
がいむ
27
時間のある時に少しずつ読むのが楽しく、色あざやかなお料理が目に浮かびます。単行本は実家にありました。私の印象は”上品で華やかなお料理本”だったけど、今読んでみると御身内が相次いで亡くなられたことや、人に対してちょっと辛辣なコメントなど、感情をさらりと出しているところが印象に残ります。高山なおみ/平松洋子、おふたりの解説にうんうんとうなずいてしまいます。2013/05/18
ラテちゃん
21
これ好きすぎる。図書館本だけど購入しよう。食いしん坊ばんざーい2017/11/07