内容説明
ある日、ラジオパーソナリティの真生のもとへ届いた一通の手紙。それは「笑わなくなってしまい、父親との関係もぎくしゃくしている祖父を笑わせたい」というものだった。真生の脳裏に甦る、絶縁したまま他界した父の姿。「あの時、きちんと自分の気持ちを伝えていれば…」。そんな思いを胸に、彼女はラジオ番組「引き出しの中のラブレター」を企画する。感涙のベストセラー長編。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
1966年大阪府生まれ。98年『血塗られた神話』で第7回メフィスト賞を受賞しデビュー。2007年に芸能プロダクション「新堂プロ」を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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秋製
45
夢だったラジオのパーソナリティになった真生。彼女は自分の番組に寄せられたハガキがきっかけとなり、そのリスナーが抱えている問題解決(結果的に自分の問題を含め)に向け携わっていく。ラジジオって、不特定多数に向け発信されますよね?この物語にはそんな当たり前のような、気付くまでは見えない繋がりが散りばめられていました。電話、メールもいいけど、たまには手紙もいいな!と思う作品でした。何年か後の自分に向けて、手紙を書いてみようかななんて、考えるとちょっと面映くなる事を思ってしまいました。2013/06/27
七色一味
26
読破。う~む。ここまでベタだと、ちょっと鼻白む感じかな。もしかしての初読み作家さん。白と黒があるらしいけど、ここまで白すぎてシミがないと、なんだか虚構じみて(や、物語だからそもそも虚構ですが)、ちょっと引くかも。ちょっとココロを揺するような感じですが、なんか足りない…。2014/10/30
スノーシェルター
25
私は字が下手なのでメールに頼りがちだけれど、メールより、やっぱり手紙って良いなと思える。ただ...出来すぎ感が...。そこでそうなって、そこが繋がるのかーと、ちょっと白けたのは私の心が歪んでいるのか。真生の父からの手紙は泣けたんだけどな。2014/10/08
三代目けんこと
18
唐突感を感じる場面が何度かあり、戸惑う部分もありましたが、235頁の6~7行目の言葉はグッときた。
みかん
13
ラジオと手紙、どちらも最近使ってないなぁ、と思ってみたり。新堂さんの作品を前にも読んだことがありますが…。ただ、言えるのはラジオも手紙も想像が膨らむものですよね。顔が見えないのだから。久しぶりにラジオ聴き始めてみようかなぁ、手紙書いてみようかなぁ、と思わされる物語でした。2015/11/18