内容説明
息を飲む程の明快さと、余すところのない学問的な厳密さが、奇蹟のように手を取り合って進む。“アントロポス”の永劫の生と、抵抗する「犬」の戦いの轟きが、惨めな現状追認と停滞を痛撃する。俊傑・佐々木中の第一作にして哲学的マニフェスト、新論考を付した完全版。ミシェル・フーコーの厳密な批判的読解から不意に現れ出る、その「蜂起の魂」とは何か。絶えざる「真理への勇気」の驚嘆すべき新生。
目次
第3部 ミシェル・フーコー、生存の美学の此岸で(「権力と戦略」;フーコーの「転回」―「アッティカ刑務所について」と「真理と裁判形態」;規律権力の戦略(一)―『監獄の誕生』
規律権力の戦略(二)―『精神医学の権力』と『異常者たち』
戦争・生権力・人種主義―『社会は防衛しなくてはならない』
セクシュアリティと「規律的生政治」―『知への意志』
第二の転回―統治性とネオリベラリズム、そしてイラン革命
生存の美学の此岸で―『主体の解釈学』『快楽の活用』『自己への配慮』
アンスクリプシオンの不死―『アンチ・オイディプス』に関する註
結論に代えて―可視性と言表可能性、そして「賽の一擲」)
補論 この執拗な犬ども
著者等紹介
佐々木中[ササキアタル]
1973年青森県生。作家、哲学者、東京大学文学部思想文化学科卒業、東京大学大学院人文社会研究系基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了。博士(文学)。現在、法政大学非常勤講師。専攻は哲学、現代思想、理論宗教学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件