河出文庫<br> 久生十蘭ジュラネスク―珠玉傑作集

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河出文庫
久生十蘭ジュラネスク―珠玉傑作集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 281p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309410258
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

人生の求道やら何やらを峻拒した十蘭の真骨頂を示す、絢爛華麗な傑作群。

著者等紹介

久生十蘭[ヒサオジュウラン]
1902年、北海道函館生まれ。作家。函館新聞社に入社後、上京、岸田国士に師事。渡仏し、演劇論を学ぶ。帰国後、『悲劇喜劇』の編集に従事、演出も手がける。『新青年』などで言語実験を駆使した推理小説、伝奇小説、珠玉の短編群を発表。1957年死去。主な作品に、「鈴木主水」(直木賞)、「母子像」(国際短編小説コンクール1位)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

68
今年のトリは久生十蘭の十の短編集。『葡萄蔓の束』:修道院に入りもう少しで修道士になれるところを、沈黙の戒律を破ってしまうほどのおしゃべり好きなベルナアルさんの話。これを読んでいしいしんじと共通するものを感じた。他には狐とのやりとりが面白い『生霊』など。2015/12/31

sin

49
まず巻頭の“生霊”がいい。作者のその描写に想像を委ねられた場所がいつの間にか異界と化していく、その舞台で狐につままれた気分の主人公がそのままの成り行きから物語の後半に盆に里帰りする霊に見立てられての、翁媼との厚情の果てに、見立てた霊の最期に目にした光景を思い浮かべる…えもいわれぬ風情のある短篇だ。十蘭は現を夢に夢を現にしてそれでいてその視線は冷徹なまでに客観的で揺るぎない。その筆で本質を明らかにして読者の不確かに移ろう人生の繰り言を一蹴して退けるのだ。2015/05/12

ずっきん

34
なんでも書けるんだなあとあらためて驚嘆。幻想、ユーモア、時代物、恋愛物、サスペンス、ノンフィクションと多彩。解説で澁澤龍彦氏が創造のスタイリストだと称賛しているが、なるほどーと思う。深くは考えず、どうよ、とばかりに差し出される、磨きあげられた物語に胸中を踊らせよう。「南部の鼻曲がり」のクールな語り口に痺れ、「遣米日記」には大笑いし、「影の人」に至ってはピカレスクロマンだ!大好物だ!全てが好きな作品だったわけではないけれど、十蘭のスタイリングはどれもこれも素敵だった。完っっ璧にはまりました♪2018/02/25

geshi

28
本当にどんなものでも書けるのかと驚くほどのバリエーション。句読点まで磨きこまれた日本語の持つリズムのマジックに飲み込まれる。特に好きなのは『南部の鼻曲り』の玉本とモリオーの友情とも言い切れない奇妙な関係性が時代も国も軽々と超えてしまう所。『美国横断鉄道』の人間ってこんなものと言いきってしまえるほどのヒューマニズムの欠片もない残酷さ。『その後』のどこまでが本当で誰が狂人か分からなくなる所へ連れて行かれる感覚。このラスト2行の泰然とした感じが凄い。2015/10/19

ちくわ

25
久生十蘭ジュラネスク/久生十蘭読みました!!十蘭は初読み、ずっと読みたいと思ってたので、ついに!という思いです。まず「生霊」これ、めちゃくちゃ良いですね。月夜の晩、人に化けて踊る狐と松久の会話のテンポに丁寧な描写。読んでてうっとりするほど。気持ちよく読めました。短編が10あるのですが、幻想譚、時代物や現代ものと様々な短編が入ってます。「美国横断鉄路」はあまりに残酷で、こういう作品も書くのかと。「葡萄蔓の束」、「遣米日記」あたりが好き。「死亡通知」はミステリだと思うんだけど、正直、よくわからなかった。2017/02/12

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