内容説明
北は根室本線の根室から、南は指宿枕崎線の枕崎まで、25の終着駅を訪れる“行き止まり”鉄道紀行。全線完乗、最長片道切符の旅、そして終着駅へ…宮脇俊三の鉄道に対する愛情は、徹底して乗り尽くす旅路に詰まっていた。刊行から25年以上が経過し、本書で訪れた終着駅のいくつかが姿を消した。終着駅へ至る車窓は、在りし日の昭和の記録でもある。
目次
北海道(根室(根室本線)
根室標津(標津線) ほか)
東北・関東(比立内(阿仁合線)
女川(石巻線) ほか)
中部(東赤谷(赤谷線)
別所温泉(上田交通別所線) ほか)
近畿・中国・四国(伊勢奥津(名松線)
片町(片町線) ほか)
九州(門司港(鹿児島本線)
杉安(妻線) ほか)
著者等紹介
宮脇俊三[ミヤワキシュンゾウ]
1926年、埼玉県生れ。東京大学西洋史学科卒業後、中央公論社に入社。出版部長、『中央公論』編集長等を経て、1978年に退社。同年に国鉄全線乗車記『時刻表2万キロ』を刊行し、日本ノンフィクション賞を受賞。2003年2月26日病没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドナルド@灯れ松明の火
23
宮脇さんの文体は素晴らしい。推敲の極みかもしれない。臨場感、筆者の感情が手に取るようにわかる。しかも余韻が残る描写。どれをとっても素晴らしい。終着駅をめぐる旅は、今では廃線などでその当時の雰囲気は感じられないかもしれないが、作品の中では当時の様子が生き生きと描かれ、まさに鉄道遺産とも言える。2016/01/13
Naoko Takemoto
11
筋金入り鉄オタ宮脇俊三の鉄道エッセイはユーモアのある旅文学だと思う。最近の鉄オタにありがちなマニアックな知識一辺倒の薄っぺらいルポとは格が違う。本当に文章が上手だ。終着駅というつきあたりへの興味を嫌でも誘う。彼が旅した時代から50年ほど経過して風景も変わっただろうけど、鉄旅の本質は変わらない。ああまた旅に出たい。2023/01/21
たびねこ
11
10年ぶり再読。何度読んでも飽きない。飽きない自分が不思議に思えてくるほどだ。単なる鉄道紀行文ではないということだろう。2015/10/17
saga
7
昔「国鉄」で日本一周しようと時刻表を飽かず眺めていた子ども時代を思い出した。ほっとする鉄道エッセイ。2010/06/30
アンドレス
6
僕は鉄道マニアではないのですが、これは面白いです。 標津本線や士幌線など(残っている路線の方が少ないかもしれませんが...)現在は廃線になっている路線の貴重な記述もあり、マニア受けするような内容であるにも関わらず、平易でさらっとした文章である点に非常に好感を持てました。且つ深みもあり読み応えも感じられました 宮脇俊三さんの他の作品も読んでみようかと思います。2023/01/13