河出文庫
日本の伝統美を訪ねて

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309409689
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

工芸、日本人のこころ、十一面観音、着物、骨董、髪、西行と芭蕉、弱法師、能、日本人の美意識、明治の元勲、文学…。達意の古典研究家、文章家であった白洲正子は、稀代の話述家でもあった。生前に河合隼雄氏などと語り残した、日本の文化をめぐる貴重な証言をまとめる一冊。

目次

工芸に生きる―白洲正子・草柳大蔵
日本人のこころ 落ち葉一枚にも感動する“美”の意識―白洲正子・谷口吉郎
十一面観音を語る―白洲正子・上原昭一
大人の女は着物で勝負―白洲正子・原由美子
骨董極道―白洲正子・秦秀雄
象徴としての髪―白洲正子・山折哲雄
西行と芭蕉 旅をすることがそのまま修行であった日本の旅人の系譜―白洲正子・目崎徳衛
能の物語「弱法師」―白洲正子・河合隼雄
「能」一筋 人生の最後に咲いた花こそ「まことの花」である―白洲正子・友枝喜久夫
日本人の美意識はどこへ行った 芸の道から政治家まで縦横無尽―白洲正子・鶴見和子
明治維新の元勲たちを論ず 維新回天の立役者、薩摩隼人の気骨とは―白洲正子・津本陽
人間も骨董と同じで一目見たら分かるわ―白洲正子・阿川佐和子
人の悲しみと言葉の命―白洲正子・車谷長吉

著者等紹介

白洲正子[シラスマサコ]
1910年、東京生まれ。評論家、随筆家。日本の古典・芸能・工芸などの研究家。薩摩藩の海軍大将・樺山資紀、川村純義の孫。幼時より梅若宗家で能を習う。14歳で米国留学、1928年帰国。翌年、英字新聞記者だった白洲次郎と結婚。43年『お能』を処女出版。河上徹太郎、青山二郎、小林秀雄らを知り、審美眼と骨董、文章を修業。62年『能面』で、72年には『かくれ里』で読売文学賞を受賞。98年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Sakie

16
白洲正子は好奇心旺盛な人だった。面白いと思ったら首を突っ込んでとことんはまる。結果として目が養われる。本質を掴む。あるいは自分の足で歩いて伊勢へ詣でる旅で、古人の実感を理解する。『だって、面白いんだもん。あたくし、いつでも面白いことが先に立つの』。だから彼女の言葉には惹かれる。着物、能、骨董など、長い伝統がある部類のものは素人が想像するよりずっと奥深い。知識だけでなく感覚で深く理解できるようになってはじめて、定石を踏まえたうえで拓ける境地というものがある、そのなにかひとつでも自分のものにしたいと憧れる。2023/08/11

YH

4
白州さんの本を読む度に、友枝氏のお能を見ておきたかったと悔やまれる。白州さんの本を読むと、出会っておきたいものがたくさん見つかる。2009/08/27

ハイサイ

3
各界の14人との対談集。対談の名手でもあったことが新鮮。中でも能楽師、友枝喜久夫氏との対談は圧巻。「六十の手習いというが、それは六十になって、新しいことをはじめるということではない。今まで一生つづけてきたものをあらためて最初から出直すことだ。」これは、青山二郎のことばを引用したものだけど、白洲正子は友枝氏の能にそのことばの具現した姿を見いだしたのだった。 2011/06/09

Hiroki

2
mybook すごい質量の“知”が、経験や体験に裏打ちされて存在する。チンプンカンプンが多々あったが、それでも輪郭くらいは分かったような感じ。一例が着物について。着付けといえば帯を何十本も使ってギリギリと身体を締め付ける。これは体型を補正するということらしい。要は同じ体型に持っていく訳だが、窮屈であり息苦しいから、着物嫌いとなり着物離れはますます拍車が。例えば能は、平安時代から男色があり、能もその影響をうけた芸であるとあり、少年愛が熱っぽく語られている。学者風<職人風=白洲正子 という不等式をみつけた。 2023/08/07

2
白洲正子さんと、いろんな方との対談集。古いものに造詣が深い人だけれど、過去じゃなくて、それを下地に現在や現在の先にある未来を肯定的に見つめているのだろうなと思った。好きなことを思い切りやって、楽しく生きた人なんだろう。2013/09/30

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