内容説明
落語にヤクザが登場しない訳は?浅草紙が作られる過程は?絶口、釜無村の由来は?―落語の題材、登場人物、場所、行事、習慣などなど、そこに描かれるさまざまな事物・風俗とその背景を五〇音順に項目別に並べて掘り下げる。江戸の社会の実際を隅々まで探る、民俗学風味のオリジナル読み物。
目次
第1章 風俗・民俗・歴史(鮑のし;牛ほめ;喧嘩;孝行 ほか)
第2章 社会構造・職業・人(隠居;うどん屋;廏火事;大家 ほか)
第3章 遊び・文化・宗教(あたま山;アバラカベッソン;笠碁;芸事 ほか)
著者等紹介
湯川博士[ユカワヒロシ]
1945年生まれ、東京育ち。法政大学卒。出版社勤務、『将棋ジャーナル』編集長を経て84年に文筆業。2007年『大江戸将棋所 伊藤宗印伝』(小学館文庫)で「将棋ペンクラブ大賞」文芸部門受賞。趣味の落語(芸名・仏家シャベル)や、街頭紙芝居(蛙の会)など話芸でも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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suzuki-takefumi
2
落語に絡めて江戸時代の様々な風俗、民俗について語られている。読んでいて面白いし、言及されている演目にも興味が湧くが……裏表紙の冒頭「落語にヤクザが登場しない訳」が本文中でなく後書きなのはどういう事か。2015/05/06
小寅
1
落語そのものの本は読んだことがあったが、解説系の本は読んだことがなかったので、興味深かった。 落語を聞きたくなる。2019/10/15
rumi
1
落語うんちくと言うよりか落語の題材から江戸の町の風俗、文化、社会構造を掘り下げて解説してくれている本。落語の世界の住人と落語には登場しない人物から江戸の庶民の気質が伺える。野暮になりつつある現在の世を憂いつつ精神の根底にあるものを受け継ぎたいと思う。2012/12/10
salieri
0
なかなか勉強になりました。これも箇条書きでテンポ良く、お題のものが登場する落語の演目を引きながら解りやすい解説で楽しめます。江戸時代の風俗に興味がある人、落語を楽しみたい人にはお薦めだと思いました。2014/02/21
とりぞう
0
「うんちく事典」などと言うと浅はかな、人から馬鹿にされそうな本に思えるけど本書はさにあらず。「落語研究入門」のような感じでまとまっており、いろんな層の人が楽しめると思う。2011/02/23