河出文庫
現代語訳 江戸怪異草子

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  • サイズ 文庫判/ページ数 251p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309409177
  • NDC分類 913.51
  • Cコード C0193

内容説明

円朝で有名な「牡丹灯篭」、『雨月物語』の「浅茅が宿」、夏の夜にお決まりの「百物語」…日本の怪談はどれも了意の「伽婢子」なくして生まれなかった。中国の怪異小説を巧みに日本が舞台の物語に綴り変え、江戸に爆発的な怪談ブームを起こし、文学の流れを変えた歴史的作品。続編「狗張子」を併せて収録した贅沢な一冊。

著者等紹介

浅井了意[アサイリョウイ]
慶長17‐元禄4年(1612‐1691年)。京都生まれ。仮名草子作家。代表作『伽婢子』は江戸に怪談が流行するきっかけとなり、怪奇物の祖として後世に多大なる影響を与えた。かたや浄土真宗の僧でもあり、仏教書を記すなど多岐に渡り活躍した

富士正晴[フジマサハル]
1913‐1987年、徳島県生まれ。作家、詩人。風刺と諧謔の効いた作風で高く評価された。代表作に『桂春団治』(毎日出版文化賞)、『敗走』『徴用老人列伝』(ともに芥川賞候補)、『帝国軍隊における学習・序』(直木賞候補)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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こーた

117
闇だまりに、ぽんと放りだされるような心細さだけが残る。理屈も情も、何もない。物の怪は忽然とあらわれ、気がつけば岸をこえている。渡ったことにも気づかずに、なんの救いもなくおわる。かれらは何をまちがえたのか。どうすればよかったのか。そんな教訓も、説教さえもない。ただただ怖くて、恐ろしい。『雨月物語』も『牡丹灯籠』も『百物語』も、のちにつづく怪談は、もとを辿ればぜんぶこの「伽婢子(おとぎぼうこ)」と「狗張子(いぬはりこ)」にいきつく。中国怪異小説の見事な翻案にして、ホラージャパネスクの祖。2018/01/27

まさ

13
江戸時代に浅井了意氏が中国小説を翻案した1冊。淡々と進む各編そのものもおもしろいのだけど、後の雨月物語等にも大きな影響を与えたのだろうと感じる描き方に興味が湧きました。2019/01/20

ダージリン

2
「雨月物語」などは好きなのだが、これはそれより以前に編まれた怪異譚。中国の怪異文学から翻案したということだが、日本各地に舞台を移し替え、味わいある話に仕立てている。短くあっさりしたものもあるが、少し長いものは妻子の深い情愛を感じさせるものが多くホロリとさせる。抑えたトーンだけに却って味わいがあるように思う。江戸時代は色々と面白いものが書かれていたことを改めて知る。2018/03/21

はみ餅

1
解説の人の自分語りが長いよ〜あなたが大学院でやったことなんて誰も聞いてないですよ〜2023/08/19

けん

1
浅井了意の怪異譚。四国徳島の出身で『狸ばやし』『狸の電話帳』などの著書のある富士正晴の現代語訳なので、狸話も収録されているかと読んだのだが、一つもなかった…ただ、佐藤垢石の狸話の元ネタ?らしきものが、二つほどあり、それは収穫。2021/12/12

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