内容説明
消えた芸人、忘れられないあの芸…大正から昭和にかけて寄席に通い詰めた著者が、その風景、芸人たちの姿を克明に記した貴重な記録。表題作他、「寄席風俗」「わが寄席青春録」などの名随筆から、さらに寄席・落語にまつわる逸品を選りすぐり。
目次
随筆 寄席囃子
随筆 寄席風俗
艶色落語講談鑑賞
寄席行燈
わが寄席青春録
著者等紹介
正岡容[マサオカイルル]
1904‐1958年、東京神田生まれ。寄席芸能研究家、随筆家、作家。江戸から明治を中心に、寄席芸能、風俗などの研究を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ノブ・グシオン
1
ユーモアたっぷり。語り口も軽妙。2017/07/22
qoop
1
幾つかの小文集をまとめたもの。往時の落語家や寄席風俗、自身の演芸との関わりについて〈ほとんど泣き上戸の酔っぱらいのように、哀感を込めて語る〉(←解説の坂崎重盛氏の文。これほど的確な評があろうか!)。どれも良いのだが、中では〈寄席行燈〉所収の数編と〈わが寄席青春録〉が殊におもしろかった。 寂しさのなか毎夜同じ寄席に通い詰め、遂には同じギャグに全く笑えなくなった正岡が、それでも翌晩出かけていって大笑いしてしまう…これを〈思うに私の寄席修行のこれが第一の「悟り」の日であったらしい〉と続けるくだりが素晴らしい。2014/01/30