内容説明
兵力三百万を投入し、大陸全域を戦場にして通算三千日も泥沼の戦いを続けた日中戦争の全貌を詳細に追った決定版。盧溝橋事件、上海事変から、南京、武漢、広東の攻略へと際限なく進軍する日本の間違いはどこにあったのか、そして、前線では何が起こっていたのか。太平洋戦域のもう片方での戦争を知るための最適な入門書。
目次
序章 日中戦争はなぜ起こったのか
第1章 盧溝橋事件から全面戦争へ
第2章 上海事変と戦線の拡大
第3章 日本軍の「北支五省」席巻
第4章 南京を攻略
第5章 徐州作戦―隴海線沿線を占領
第6章 武漢攻略と広東攻略
第7章 長期持久戦略と占領地の拡大
第8章 一九四〇年の戦い
第9章 一九四一年の戦い
第10章 太平洋戦争下の日中戦争
著者等紹介
森山康平[モリヤマコウヘイ]
1942年、中国の奉天(現・瀋陽)生まれ。週刊誌・月刊誌の記者を経て、大平洋戦争研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroshi
5
1912年に清王朝が倒れた中国は、革命の主体となった中華民国政府には強力な軍隊がなく、広い中国の各地には軍閥が割拠していた。21年に成立した共産党の軍隊も活発な活動をしていた。中国の混乱は、列強、特に日本が大陸に進出する機会を与えていた。日露戦争で満州の一部と遼東半島、南満州鉄道を租借した日本は、満州を支配していた張作霖を爆殺して、32年に溥儀を皇帝に据えた傀儡国家の満州国を作る。更に満州国の南に広がる北支にも目を付け、満州国と一体化した経済ブロックを作ろうと河北省や内モンゴルへ侵入して熱河作戦を始めた。2021/05/28
yamakujira
4
タイトルの通り、盧溝橋事件から終戦まで続いた日中戦争の記録。日米開戦後は忘れられがちな戦争を知ることができて、興味深く、腹立たしく、悲しく、そしてやりきれない。なにしろ、無謀な戦争の幕開けが、ちょっと懲らしめよう、すぐ謝るだろう、こんなはずじゃなかった、なんて浅薄な戦略眼からだとは呆れるばかりだ。泥沼化する戦争を止められなかったのは誰のせいなんだろう。読むほどに、開戦前の制度、政策、世論が鍵だったと感じる。「大東亜共栄圏」も「南京大虐殺」も、どちらも虚言だと見抜ける感覚を育みたいね。 (★★★☆☆)2015/09/27
兵衛介
1
主要な各戦闘について戦果、損害を明記してあるのが良い。割愛されることの多い日米開戦後の戦闘についてもカバーしている。2009/07/06