内容説明
獣もヒトも求愛するときの瞳は、特別な光を放つ。見えますか、僕の瞳。ふたりで海に行っても、もんじゃ焼きを食べても、眠っても、深く深く共鳴することができる、心のシンクロ率の高い僕たち。だから、いっしょにレートーコに入ろう。歌人にしてエッセイの名手、穂村弘が贈る、甘美で危険な純愛凍結詩集。
目次
あした世界が終わる日に
デニーズ・ラヴ
おねがい
氷川丸
求愛者
獣姦爆撃機
ドライブスルー
月光をたよりに
それはよく晴れた真夏の
国道にて〔ほか〕
著者等紹介
穂村弘[ホムラヒロシ]
1962年、札幌市生まれ。歌人。絵本翻訳も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
139
お気に入りのほむほむの作品を読むのは10作目。こちらは詩集。ほむほむのエッセイはよく読んでいて短歌も読んだりしましたが詩は初めてかも!今作は、ほむほむが失恋をしたときに書いたので一人の女性のイメージが全体を覆ってるとのことです。どの詩も、ほむほむの短歌のようにぶっ飛んでいたり、それでいてなんだか素敵って思えて楽しむ事ができました♪やっぱり、ほむほむ只者じゃないです(笑)34の詩の中で私が印象に残ったのは「デニーズ・ラヴ」「ホームレス・バター」「海の砂」「もんじゃやき」。感性がスゴイ★とても良かったです♪2014/05/29
ヴェネツィア
138
読書メーターでもエッセイストとして人気の高い穂村弘だが、本来は歌人だ。そんな穂村の、これは3つ目のジャンルへの挑戦。短歌はその形式から言葉の分量に大きな制約があるが、詩ではまったく自由だ。それゆえにか、詩人の穂村は意外にも饒舌だ。短歌の制約から逃れるかのように。ここでの詩は、ことごとく架空のまだ見ぬ恋人にあてた一方通行の通信だ。短歌とエッセイの中間といった風情。ペーソスを湛えたコミカルなものもあるし、永遠性を歌ったものもある。詩のリズムは入沢康夫のそれを思わせる。タイトルも詩集としての配列も魅力的だ。 2013/05/11
ダリヤ
70
なにをいっているのかわたしにはわからなかったけど、とにかくあいてを愛してやまないきもちはわかったきがする。それはもう、ちょっとこわくなるようなくるっているほどの愛が。ホームレス・バターはとてもすき。2015/01/05
なる
66
歌人が綴る自由律。とても男性っぽい。作詞家とかミュージシャンの書く自由詩を読んだ時とかなり近い印象を持った。それはおそらく短歌や歌詞という、制限された中で言葉を綴る人がリミッターを外した時に生じる開放感なのかもしれない。ダダイズムっぽいのもあれば少女詩集のような趣のものもあって幅広い。エッセイのような風味のものもあり、個人的にはバブル期を駆け抜けた秋元康や森雪之丞の詩集(≠歌詞)から毒々しさを抜いたような。『渚へ』が正統派で好きだけれど『マイ・エンジェル』には思わず唸った。この発想はいい。すごくいい。2021/03/31
けいこ
36
穂村弘さんの詩集を初めて手に取った。え〜っと、、どうしたものか。頭の中がグルグル。なにこれ、変なの。 でも、こんなに攻めたり、引いたり、どっか行っちゃったり、自由でいいな。失恋を機に書いたものらしいけれど、意味不明な中に、ちゃんとまだ好きって気持ちが伝わる。穂村ワールド手強い。2021/07/04