内容説明
拘束されたジャウの命が失われゆく中、ソレンセンは最後の賭けにでる…。シュイとイオの躰が融け合い、一つになるとき、“永い眠り人”は、記憶の彼方からついに目を醒ますのか?超人気巨篇シリーズ、ついに感動の最終巻。
著者等紹介
長野まゆみ[ナガノマユミ]
東京都生まれ。88年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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橘
14
こんな終わりってあるのでしょうか。全てを理解したとは言えませんが、とても悲しく、とても美しい物語でした。「きみは、ぼくの世界の、すべてだった、」好きな世界でした。またいつか読みます。2015/05/07
冬見
8
「……もう限界なんだ。なんでまだ躰が動くのかわからない。……あなたのために何をすれば、もう少しまともに扱ってもらえるのか、……知りたい。それが叶わないなら、……殺してほしい。」 いろいろの意味が、前より少しわかった。この世界観、やっぱり好きだ。耽美と退廃の香り。永遠の終末。2014/09/26
橘
7
再読。シュイがとことん報われなくて悲しいです。長野作品では最も多く大人が出てきた気がします…どの人もそれぞれの冷酷さがありました。寂しく、虚無なラストでした。2021/01/27
ゆゆゆ
6
メモをとりつつ読了。明言はされていないし作者も辻褄が合うように書いていないとおっしゃっていますが、謎だらけの設定を自分なりに解釈して納得しています。精神的にも肉体的にも辛い描写が多いシリーズでしたが、マンダリンの飛び交うカシピオンの風景は美しく目に浮かびました。わたしはイオとシュイとソレンセンが好きなんだなぁと思ったのが読了しての感想です。2013/07/08
さつきち
6
後書きで、登場人物の種族やら性別シフトやらは、植物を参考に発想したと書いてあって興味深かった。長野作品によくあるように、主人公が当たり前のことだと思ってなんの疑問も持たずにいることが、実は捏造されたものであって、知らぬは本人ばかりなり。それが終盤にいくに連れて、少しずつ真相が明らかになっていくって感じですね。