河出文庫
二・二六事件

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  • サイズ 文庫判/ページ数 297p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309407821
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0121

内容説明

昭和十一(一九三六)年二月二六日未明、二十数名の帝国陸軍青年将校と彼らの思想に共鳴する民間人が、千五百名余の下士官兵を率い、時の首相・岡田啓介をはじめとする重臣たちを襲撃、殺害するというクーデター未遂事件が発生した!なぜ彼らは行動を起こし、何を夢見たのか。空前の事件の全経過と歴史の謎を今解き明かす。

目次

プロローグ 決起前夜 首都を震撼させた反乱事件はなぜ起きたのか
第1部 首都・争乱の四日間(深夜の非常呼集 決起!尊皇討奸を掲げて;暁の要人襲撃 岡田啓介首相襲撃;鈴木貫太郎侍従長襲撃;斎藤実内大臣襲撃;高橋是清蔵相襲撃 ほか)
第2部 戒厳令下の暗黒裁判(圧殺された法廷闘争の夢 軍法会議は決起将校たちをいかに裁いたか;昭和維新を掲げて 二・二六事件の決行者たち;「命令と服従」を否定した法廷 「反乱軍」の汚名に泣いた事件後の下士官兵)
エピローグ 粛軍と軍部独裁への道 陸軍の政治介入に翻弄される広田新内閣

著者等紹介

平塚柾緒[ヒラツカマサオ]
1937年、茨城県生まれ。出版プロダクション「文殊社」代表。太平洋戦争研究会、近現代フォトライブラリー主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Hiroshi

8
昭和11年2月26日におこった、20数名の陸軍青年将校及び民間人が1500名余りの下士官兵を率いて時の首相を初めとする重臣達を襲撃・殺害して、軍部独裁の維新政府を樹立しようとしたクーデター未遂事件を二・二六事件という。農作物の価格の下落や凶作等で疲弊した農家の男子である兵士を育成するのが青年将校だ。矛盾を感じていた。陸軍では天皇親政の理想的な国家を作ると主張する皇道派と皇道派に好意を寄せていない統制派が対立していた。勢いのあった皇道派も荒木大将の陸相辞任により衰え、その危機感の中、相沢事件に続きおこった。2019/08/20

フンフン

6
二・二六事件について事件そのものだけでなく、事件後の裁判や、「無罪」となった兵隊のその後まで描く。2020/09/16

kiiseegen

6
事件に付いては周知も復習のつもりで読み終える。あらためて思うが、上官の命令を遂行して理不尽な判決をうける下士官兵達の気持ちを考えると本当に腹立たしい。ましてや黒幕とされる真崎甚三郎大将は無罪判決。やりたいことをやった青年将校は良いけど・・・結局一番損をしたのは事件参加の下士官達。可哀相に!2015/09/06

黒猫

4
二二六事件の顛末から日本がいかに軍国主義の道を歩んで行ってしまったのがよくわかる。二二六事件はその一つの契機であったことに間違いない。その後の軍部大臣現役武官制の復活、内閣を操る軍人官僚の台頭。この本は二二六事件のまるでそのあらゆる場面に遭遇しているようだ。首謀者の真崎が裁判で、すっとぼけ生き抜いた影には最後まで決起に反対した安藤大尉がいた。安藤大尉は死刑。皇道派青年将校に担がれた姿は西南戦争の西郷隆盛を思いおこす。何も知らずに命令に従い罪を負った多くの若き軍人の胸の内に思いを馳せた私の胸を打った。2015/09/16

Ken-Ken

4
青年将校たちを決起へと突き動かした、国家の現状をこのまま放って置いてはいけないという危機感。陸軍上層部は起きてしまった事件と真摯に向き合って学ばなければならなかったが…北一輝に責任転嫁して自分たちは被害者のふり、命令と服従の論理で動いた下士官兵まで十把一絡げに反乱軍と言い捨てて、ついには事件をチャンスととらえ国政一新を叫んで政治のイニシアティブを奪い、国家を破滅へと導いていった。自分たちの本分を忘れて権力闘争に明け暮れると悲惨な結末になるという良い見本であり、この事件を深く学ぶことは非常に有意義だと思う。2015/08/05

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