内容説明
アジア放浪から半年ぶりに帰ってみると、変わらないはずの恋人は、別の男と暮らしていた…。なんとか僕は、旅先で知り合った女性の一軒家に転がり込む。だがそこは、行くあてのない人が一時的な共同生活をおくる、旅の途中のゲスト・ハウスのような場所だった。旅の終わりを探す、直木賞作家の青春小説。
著者等紹介
角田光代[カクタミツヨ]
1967年、神奈川県生まれ。90年『幸福な遊戯』で第9回海燕新人文学賞を受賞。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年路傍の石文学賞、03年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞を受賞他、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
278
角田さんの体験や想いがいっぱい詰まった作品なんだろう。どこをとってもわたしとは相容れそうもないグダグダな男女たちの物語、なのに不思議と胸にくる。ラストだけがどうしても理解できないんだけど、その辺がやっぱり「相容れなさ」なんだわ、と妙に納得。2017/12/26
おいしゃん
57
都内のゲストハウスに転がり込んだ主人公が見た、ゲストハウスの人間関係が綴られる。何もせず自由なはずなのに、退廃的で無気力に陥る彼らの様子は、旅先でしばしばゲストハウスに泊まる自分にとって想像に難くなかった。2017/10/31
shizuka
52
当たりはずれで言ったら「はずれ」になっちゃうかな。そもそもわたしはアジア放浪の旅や雑多なゲストハウスには不向きな性格なのだ。無理。潔癖性ということもあり、アジアから空港へ到着し、「地下鉄の臭い」を纏ったまま暮林さんちに転がり込み、睡魔に襲われてそのまま寝てしまう。暮林さんがやさしく毛布をかけてくれる。とか。無理なんです。えーお風呂はいらないのー。ってなってしまう。こういう雑然とした性格や環境に憧れはあるけれど、でも無理なんだからしょうがない。そんな細かいとこばかり気になって本質掴めないままの読了でした。泣2016/07/31
milk tea
41
旅から戻っても現実に帰れない人々のゲストハウス。時間はどんどん過ぎていくよ。早く旅の終わりを見つけて、新しい一歩踏み出して欲しい。それにしてもここに出てくる登場人物みんな苦手。2016/12/15
siro
38
旅を終えて帰国後も旅の余韻を引きずり、自由に生活する人達。好き勝手に生きていく彼らの人生は自分には出来ないだろうと思うので、羨ましくはないけどこんなのも有りかなと。でも王様が出てきた。あれ?彼らは自由だと思っていたけど、日本では多分…不自由にしか生きられないだろうなぁ。2014/12/08