内容説明
二〇〇四年秋に逝去した著者が死の五年前、老いと病いに苦しみながら、困難な「今」を生きるすべての人々に生きることの本質を明かした渾身の人生論。―若狭の子供時代の貧しさと父母の慈愛、禅院での修行時代の苛酷な体験と逃亡、戦中・戦後の飢餓と生活の破綻。そうした体験の奥に響く、道元、良寛、宇野浩二、小林秀雄など著者が教導された智者たちの声。
目次
第1部 「自力」の生命論
第2部 八十歳、勘六山の日々
第3部 苦と転生の昭和史
第4部 「しゃべるように書け」―宇野浩二・口述筆記に学ぶ
著者等紹介
水上勉[ミズカミツトム]
1919年福井県生。作家。『霧と影』でデビュー。『雁の寺』で直木賞受賞。主著に『宇野浩二伝』(菊池寛賞)、『一休』(谷崎潤一郎賞)、『寺泊』(川端康成文学賞)、『良寛』(毎日芸術賞)等がある。2004年逝去
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