河出文庫
祖父・小金井良精の記〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 417p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309407142
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

小金井良精は安政五年(一八五八)、越後長岡藩士として生まれた。戊辰戦争を指揮して新政府軍に敗れた河井継之助や、「米百俵」で名を馳せる小林虎三郎とは姻戚関係にあった。会津への敗走行を経験して維新を迎え、東大医学部の前身に入学、ドイツ留学など、苦学力行して解剖学の草創期を築いた。森鴎外の妹との結婚、アイヌの人骨研究など、前半生を描く。

著者等紹介

星新一[ホシシンイチ]
1926年、東京生れ。東京大学農学部卒。ショート・ショートという分野を開拓したSF作家の第一人者。父・星一や祖父・小金井良精とその時代を描いた伝記文学なども執筆。1997年逝去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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KAZOO

42
ご自分の母方の祖父小金井良精について様々な資料を駆使して書いておられます。明治時代の高名な人物などが描かれていて「ベルツの日記」、あるいは森銑三の著作なども渉猟されていますが、家族などの日常の生活などを描いた場面がやはり興味深く感じました2015/02/10

kawa

40
「ショートショート」の神様・星新一氏の母方の祖父で明治~昭和の医学界をリードした小金井良精氏の評伝。良い孫を持った良精氏にご同慶だが、それ以上に、河合継之介、「米百俵」で有名な小林虎三郎、森鴎外、北里柴三郎、野口英世等々明治の世の綺羅星が次々登場に、呆然としながら下巻へ。北里や野口が所属していた伝染病研究所(現・東大医科研/白金台)、上京のおりの散歩コースで学食にもお世話になった。再訪の機会があれば両氏が歩いた道を味わいたい。そう言えば構内に「近代​医科学​記念館」もあったな。2023/01/22

雪町

2
解剖学・人類学の学者であった祖父・小金井良精について、作家である孫が綴った評伝。小林虎三郎の甥で、森鴎外の妹婿。親戚関係も交友関係も著名人が多くて驚いた。本人が書いた日記を下敷きにしているせいか、淡々とした印象。戊辰戦争と独留学の話が興味深かった。医学部教授の間では自分の遺体を解剖に供することになっていて、解剖に陪席するのが礼儀だったと言うのが印象的だった。先に亡くなっていく友人達を解剖する時の気持ちを想像すると辛い。2016/04/06

ジキル

2
星新一の母方祖父の記。淡々とした表現だけど、朝敵とされた幼少期から、紆余曲折あり、また多くの著名人も登場してくることもあってか面白い。あと、小泉元首相の発言で知った「米百表」の小林虎三郎なども、星の縁者だったとは。2013/10/10

石橋

1
星新一流の簡潔な文体ながら、祖父を語る言葉には孫のひいき目がにじみ出ていて、小金井良精の生涯はもとより、星新一の新たな面が知れる良い作品。明治期の医学界もよくわかる。なんでこんな面白い本が新刊書店で手に入らないのだ。納得いかぬ。2022/01/03

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