内容説明
浅間山荘事件を起こした連合赤軍の凄惨なリンチや、オウム真理教内部でのリンチ事件など、現代日本でも人びとを震撼させる「私刑」は、なぜ起こり、なぜ根絶しないのだろうか。有名なKKKのリンチやロシア革命期の民衆リンチをはじめ、古今東西の戦慄的な話を紹介しながら、群集心理や深層心理、刑罰思想や人権思想、人間社会のあり方などを問う奇書。
目次
第1章 リンチ―私刑の歴史(リンチを発明した国;民衆がリンチに走るとき ほか)
第2章 処刑奇談(切り落とされた首は何秒生きているか?;鼻の収集家 ほか)
第3章 処刑の悲喜劇(解剖室で生き返った死刑囚たち;一度で死ねなかった死刑囚の最期 ほか)
第4章 変わり種の処刑譚(綱の鋸引き刑;瞼の切除刑 ほか)
著者等紹介
柳内伸作[ヤナイシンサク]
1947年、福島県生まれ。東京経済大学卒業。陸上自衛隊調査学校の心理戦防護課程(陸軍中野学校の後身)を卒業後、防衛庁陸幕調査部の情報工作官、陸上自衛隊高射学校で戦史教官。週刊誌掲載のクーデター論で免職、裁判で係争中
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感想・レビュー
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駄目男
13
私にとって、もう二度と見たくない映画というのが一つある。その名も「グレート・ハンティング」。40年程前の映画だが、ライオンが観光客を襲い喰う。アマゾンの未開の地に住む原住民を虐殺する。仲間が襲われたのをきっかけにフランス人が早朝村を襲い、捉えた男性を数人がかりで頭の皮を剥ぎ、舌を切り首を切断する。もう身の毛もよだつような光景を撮影している人間がいる。私は孟子が唱えた性善説を信じない。長い人類の歴史は殺戮の歴史だ。人権思想などは民主主義が整った、ここ数十年の話で、ローマ時代の昔からいやもっと昔、2022/05/25
ankowakoshian11
0
リンチ(私刑)の歴史、民衆によるもの反政府集団、無法者、または国王による虐殺。1/2はいろんな処刑エピソードで私怨から復讐から理由は様々なれど行われた私刑譚。この著者の方の本を何冊か読んできていたので惨たらしい描写の念入りさはいつも通りの凄まじさ。しかし一番考えさせられたのは、あとがきにある日本の司法、被害者/加害者の人権、罪を償う重さとは……など著者の疑問が書かれており、読んで悩むはめになる。読んでは(確かに…)読んでは(分からない……)を繰り返し、自分の中では一部同意、一部は知識が足りない→2021/07/10